国民の期待が大きかっただけに
残念だった石破さん

この自己認識から言わせてもらうと、石破さんはどうしても、お客さん(国民)から見たときに、「この人は何をやってくれるんだろう」というのがわかりにくかったよね、やっぱり。
第二次安倍政権のときに地方創生大臣の初代に任ぜられて、地方に目を配って配分とか振興とかをもっとやってくれるんだろうと期待したけど、肌身に感じるほどの成果をもたらさなかった。国民の約7割は地方に住んでいて、その人たちがこぞって期待したぶん、成果が出なかったときの「裏切られ感」は広範で、かつ、大きかった。
そう考えると、最初に貧乏くじを引いちゃった不運な政治家さんだったんだなぁ、という気はする。だって、マクロで見たときの地方創生なんて、東京が東京でなくならない限りは誰がやったって無理だもの。ミクロでは、それこそ私が通っている岐阜県の山間部にあるショッピングセンターみたいに、“知る人ぞ知る”商業振興の例があったりするけど、県全体とかでは難しいよ、やっぱり。
でも、有権者市民はあくまで「我々国民としては~」という目でマクロの成果を求めるものだ。その点で、最初から黒星が一つ付く始まりだったのはかわいそうだった。
文句を言いながら居座る従業員の
パターンを論理的に分解
経営陣が気に食わないんだったら正面から向き合って対話して、それでも袂を分かつしかないと判断したなら転職(離党)するなり何なりすればいいのに、裏で共謀して特定のマスコミに風説を流させて追い落とすみたいなやり方をしたりなんかして。そういうの、どうかと思うよ。
その関連で思い出すことがある。支援先の経営者からごく最近受けた、「文句を言いながら居座る従業員をどうしたらいいでしょうか」という、まさに同じ相談だ。
私たちがやらなきゃならない対応は、まずは相手を理解することが大前提だ。その前に論理的に整理させてもらうと、そういう従業員は大体が以下のパターンで組織に留まっていることがわかってくる。
1. 承認欲求の歪み――文句を言うことで「自分は問題に気付いている」とアピールする。行動で示さず発言によって自己正当化と自己肯定感を得ている
2. 依存と慣れ――長い期間勤めることで既存の人間関係への依存が生じる
3. 被害者意識――「自分は被害者だ」と位置づけることで自分の責任を回避したい
4. リスク回避本能――不満そのものよりも、実は「ここを離れた先でやっていける保証がない」という不安のほうが大きい
5. 行動コストの先送り――文句を言うことで一時的に不満を解消し、解決のための行動を先送りしている
上記のような状態をそのまま放置していたら、彼らが発するネガティブな言動と雰囲気が周囲に伝播して、本来組織に必要な優秀な人材の離職まで誘発してしまう。経営者からしたら最悪の事態だ。
問題を仕組みレベルで改善する
その先に盤石な繁盛がある
だって、そうやって従業員個人の問題にしてしまうと、肝心の会社が、店が、改善されていかないもの。それで実際の被害をこうむるのは地域のお客さんですよ。お客さんはみんな思ってますよ、「おいおい、どうすんだよこれ。このお店どうなるんだよ」って。
――ね? 会社経営も国政も同じなんだよ。「お客さん(国民)の生活がどうなるか」に責任を負っているの。従業員はそのための仲間なの。本当に向き合うべき相手は会社の外(国会の外)にいるお客さんなんだ。そこを勘違いして会社の中(国会の中)同士でいがみ合っていたって、何も始まらないよ。それどころか、最悪の場合、お客さんに離れられちゃうよ。
政治不信は今に始まったことじゃないし究極的にはなるようにしかならないけど、お客さん――リアルな意味での顧客や取引先――に不信感を持たれて一度離れられてしまったら、再び信頼を取り戻すのはほぼ不可能だ。
だからこそ、問題を従業員個人に帰させず会社の仕組みレベルで変えていかなくちゃならないし、経営者はそのために一番汗をかくべきなんだ。
この観点からは、「辞めちまえ!」とキレるのも「辞めてくれないかなぁ」と期待するのも同じこと。お客さんに対する背任であり、無責任対応だ。それは経営者が自ら戒めて改めるべきだ。
最後にもう一度政治について言えば、これからはどうやったって、今までいなかったタイプのお客さん――外国からの移民――も受け入れていくことになるだろうと思う。国力は人口とニアリーイコールだからね。今はまだ法整備が追い付かないせいで軋轢が生じている部分があるだろうけど、制度をきちんと整えて、ちゃんとペースをコントロールしてきちんとした人たちだけを迎え入れるようにすれば、私は、お互いを尊重しながら彼らと一緒に暮らしていくことはできると思うんだよなぁ。
まぁ、我々としては、まずは自分の足元をしっかり固めることだ。これからも「政治がどうでも関係ないよ」と言えるような会社にしていくしかないんだ。ヨロシク!
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vol.107 石破さんの退陣表明を受けて、柄にもなく政治について考えてみた
(2025.9.17)
著者プロフィール
佐藤 勝人 Katsuhito Sato
サトーカメラ代表取締役副社長/日本販売促進研究所.商業経営コンサルタント/想道美留(上海)有限公司チーフコンサルタント/作新学院大学客員教授/宇都宮メディア.アーツ専門学校特別講師/商業経営者育成「勝人塾」塾長
経 歴
栃木県宇都宮市生まれ。1988年、23歳で家業のカメラ店を地域密着型のカメラ写真専門店に業態転換し社員ゼロから兄弟でスタート。「想い出をキレイに一生残すために」という企業理念のもと、栃木県エリアに絞り込み専門分野に集中特化することで独自の経営スタイルを確立しながら自身4度目となるビジネスモデルの変革に挑戦中。栃木県民のカメラ・レンズ年間消費量を全国平均の3倍以上に押し上げ圧倒的1位を獲得(総務省調べ)。2015年キヤノン中国と業務提携しサトーカメラ宇都宮本店をモデルにしたアジア№1の上海ショールームを開設。中国のカメラ業界のコンサルティングにも携わっている。また商業経営コンサルタントとしても全国15ヶ所で経営者育成塾「勝人塾」を主宰。実務家歴39年目にして商業経営コンサルタント歴22年目と二足の草鞋を履き続ける実践的育成法で唯一無二の指導者となる。年商1000万〜1兆円企業と支援先は広がり、規模・業態・業種・業界を問わず、あらゆる企業から評価を得ている。最新刊に「地域密着店がリアル×ネットで全国繁盛店になる方法」(同文館出版)がある。Youtube公式チャンネル「サトーカメラch」「佐藤勝人」でも情報発信中。
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