気負わずに飛び込んだ
中小企業相手のコンサルタント業

また、国内企業の九割は中小企業の同族経営で、しかも、従業員が100人以下のところがほとんどだ。要は同族企業が大半なわけで、そうすると、それを支援するコンサルタントは、身内の悶着とか感情のもつれとかが元になっている問題の解決にも当たらなきゃならない。そんなの、大企業でマーケティングだけやっていた脱サラコンサルタントに務まるはずがないし、士業の人たちも専門外だ。第一、経験もないからわからない。だから、中小企業相手のコンサルタントというのは、包括的に相談に乗れないと難しい仕事でもあった。
私は現役の中小企業経営者であり、同族経営の次男坊という立場。それらの経験から地方商業に活路を見出していた。何より、「現役で二刀流というコンサルタントは今までいなかった」という点に、「ならばおもしろそうじゃん!」という軽い気持ちで、当時、船井総合研究所取締役本部長の宮内亨氏に勧められるがまま、日本販売促進研究所を立ち上げたのだ。
コンサルタント業で疲れたことはない
私はちょっと変なのか?
先に自然体に関して言うと、最近も息子から、「やっぱ親父はちょっとおかしいよ。普通はもたないよ、体も頭も」と、半ば感嘆、半ば呆れ顔で言われたばかりだ。
5年ほど前から、家業のサトーカメラで有望な人材を育てては何人か日本販売促進研究所のコンサルタントとして私のように二刀流で活動してもらったけど、みんな続かなかった。理由は、膨大な移動時間と、現地に着いたら即現場に臨む体力と、膨大な情報量を一瞬で処理する能力が欠けていたからのようだ。アウェーなので気も張るし、相当疲れるらしい。実際、支援先から帰ってくると、「疲れた~」と、本業で休憩? しているからね(笑)。どれだけ本業が楽なんだ? と言いたいよ(笑)。
その点、私はコンサルタントの仕事で疲れたという経験がない。内も外も同じスタンスの自然体で支援先の人たちと向き合っているからだ。なぜそうできるかというと、直接話を聞けば大体の問題は「こういうことだな」と見当が付くし、どこが解決の糸口になりそうかもイメージできるからだ。
頭の中でパパッとそれが浮かぶのは、普段から同族経営をやっているので、ホリスティックアプローチ――つまり、企業で起きる事柄の全体に対してコンサルティングができるからだと思う。宮内亨氏が言った「特定のテーマ、特定の事柄しか指導できないのではコンサルタントとは呼べない」という教えは、私の中で今も指針になっている。
「好き」と「得意」と「おもしろい」
仕事にはいろんな顔がある。だから楽しい
二刀流を始めてからというもの、私は、自然体で続けられるくらい「得意」なコンサル業のほうでいろいろな学び――支援先で事例を通じて自ら気付く学び――を得つつ、それを「好き」なサトーカメラの経営に活かしてきた。昔から「好きと得意が一緒になるのが仕事として最高」とよく言われるが、私の場合、一緒というより連携している感じだ。そうやって続けてきて、四半世紀経った今、それが自分には一番理想だったんだろうな、と思っている。
「好き」と「得意」ということの延長で言うと、仕事には「おもしろい」という感じ方もあると思う。 私はサトーカメラの経営は好きだけど、カメラ販売という業種自体は特別好きなわけじゃない。やるからには発展させようと思ったからやってきたし、今もやっているだけだ。
そこで行くと、コンサルタントの仕事は、私にとって「得意」でもあるし「おもしろい」仕事でもある。得意だからこそおもしろく感じられるくらい余裕を持てるんだ、という理解はあるだろうけど、実際はもっと単純な話で、支援先に向かう前とか向かっている途中というのは、ワクワクするんだよね。「今回は何が待ち構えているかな。どんな難題が飛び出すか!」という感じで。
なぜそんなふうに思えるのか。多分だけど、「これからコミュニケーションが楽しめる」という期待があるせいじゃないかな。
コミュニケーションというのは、お互いの考えのいわばキャッチボールだ。相手がいて初めて成り立つ。その点、支援先で向き合う相手は、メインは社長たちだ。経営者だから一般社員とは考えのレベルも経験のレベルもやっぱり違う。だから、話していておもしろい。「これから力を合わせてここの問題をクリアしよう!」という共通のミッションがあるから、なおさらおもしろい。例えそれがどんなに大変な問題であっても、コミュニケーションができるおもしろさがあるから苦にならない。疲れない。
その点、自社の部下たちとは10年20年一緒にやってきた仲で、「こういうふうに頼むね」「わかりました!」というやり取りを何度となく繰り返してきたけど、そのたびに「わかってなかったの?」とズッコケさせられたよなぁ(笑)。
まぁ、それもこれも含めて会社経営だけどね。そう考えると感謝しかない。これからも、「好き」な経営で自社を発展させつつ、「得意」なコンサルタント業で皆さんのお役に立ちながら、「自然体」で二刀流を続けていくから、ヨロシク!
事務局 サトーカメラ法人販売課 野沢定久
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScl6fe7_vPs4knZ17W4xaJ9zWPaPs3N1rcWw-xL_kmuUzBLCw/viewform
■にいがた勝人塾 5月28日
事務局 おぐま経営研究所
https://www.facebook.com/events/709128604869993
■とやま勝人塾 6月18日
事務局 滑川ショッピングセンター
■最新著書「地域密着店がリアルとネットで全国繁盛店になる方法」
https://amzn.to/3EfDs6W
■佐藤勝人YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UC4IpsvZJ6UlNcTRHPgjellw
■佐藤勝人LINE公式会員募集中
セミナーやイベント等の最新情報が届きます
→ https://lin.ee/qZEREN1
■佐藤勝人の講演・セミナー・個別支援のお問合せ
事務局 日本販売促進研究所 担当/佐藤夏美 contact@jspl.co.jp
vol.103 二刀流を始めて四半世紀。続けてこられた秘訣は「自然体」だった
(2025.5.21)
著者プロフィール
佐藤 勝人 Katsuhito Sato
サトーカメラ代表取締役副社長/日本販売促進研究所.商業経営コンサルタント/想道美留(上海)有限公司チーフコンサルタント/作新学院大学客員教授/宇都宮メディア.アーツ専門学校特別講師/商業経営者育成「勝人塾」塾長
経 歴
栃木県宇都宮市生まれ。1988年、23歳で家業のカメラ店を地域密着型のカメラ写真専門店に業態転換し社員ゼロから兄弟でスタート。「想い出をキレイに一生残すために」という企業理念のもと、栃木県エリアに絞り込み専門分野に集中特化することで独自の経営スタイルを確立しながら自身4度目となるビジネスモデルの変革に挑戦中。栃木県民のカメラ・レンズ年間消費量を全国平均の3倍以上に押し上げ圧倒的1位を獲得(総務省調べ)。2015年キヤノン中国と業務提携しサトーカメラ宇都宮本店をモデルにしたアジア№1の上海ショールームを開設。中国のカメラ業界のコンサルティングにも携わっている。また商業経営コンサルタントとしても全国15ヶ所で経営者育成塾「勝人塾」を主宰。実務家歴39年目にして商業経営コンサルタント歴22年目と二足の草鞋を履き続ける実践的育成法で唯一無二の指導者となる。年商1000万〜1兆円企業と支援先は広がり、規模・業態・業種・業界を問わず、あらゆる企業から評価を得ている。最新刊に「地域密着店がリアル×ネットで全国繁盛店になる方法」(同文館出版)がある。Youtube公式チャンネル「サトーカメラch」「佐藤勝人」でも情報発信中。
オフィシャルサイト
オフィシャルフェイスブック
https://www.facebook.com/katsuhito.sato.3?fref=ts
サトーカメラオフィシャルサイト
YouTube公式チャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCIQ9ZqkdLveVDy9I91cDSZA (サトーカメラch)
https://www.youtube.com/channel/UC4IpsvZJ6UlNcTRHPgjellw (佐藤勝人)