変化を怖がらないオープンな姿勢は
母起源の「佐藤家のDNA」

その入門クラスにて。「六十の手習い」でアップデートです!
2005年はサトーカメラが今の企業理念である「想い出をキレイに一生残すために」を定めた年で、アメリカの地域に根差したファミリー企業のスーパーマーケット「Stew Leonard’s(スチュー・レオナルド)」の顧客第一主義に倣って「ルール1.お客様はいつも正しい。ルール2.お客様が悪いと感じたらルール1
へ戻れ」という行動指針を定めた年で、かつ、うちがファミリー企業であることを前面に出すようにした年でもあった。この頃から私もうちの施策をオープンにして地域に根差すことを宣言した。
そう説明すると、経営の変化が母に波及したんだと感じるだろう。確かにその面もゼロではなかったと思う。――けど、2005年といえば母はもう66歳だ。いくら会社が変わったからって、単に環境が変化したからというだけの理由で、66歳の人間が、人との接し方とか性格だとかを今さら変えられるものだろうか。
そのように考えると、母の変化はやはり、もともとの本人の素質が環境の変化(会社の変化)に触れて開花したんだと思う。そして私が「佐藤家のDNA」という表現で言いたいものこそ、母のその素質だ。
プラグマティストの精神で
母にはこれからも勉強好きでいてほしい
ちなみに、昔から佐藤家をよく知る人に言わせれば、私が母似で、兄が父似ということだけど、それはさておき・・・。
ともかく、サトーカメラが理念を定めて生まれ変わったタイミングで母も自分自身をアップデートしてくれていたということは、息子として率直に嬉しい。60にもなって「息子として」も何もないもんだが、でも、やっぱり嬉しい。
母はもともと学校の先生になりたかったぐらいで、今も勉強好きだ。私の本は全冊読んでいるし、佐藤勝人公式YouTubeチャンネルも毎回視ているらしい。「またこんな生意気なことを言って・・・」と眉を潜めるときもあるだろうけど、これからも変わらず勉強熱心でいてほしいと思います。
兄の変化=アップデートに感謝
既存幹部たちの伸びしろにも期待
今の経営改革を始めた当初、幹部を含め既存の社員たちは、改革の必然性と妥当性をなかなか理解しようとしなかった。そんな状況でも兄と息子だけは、比較的すぐ理解して、改革に乗ってくれた。
他の幹部たちの反応が鈍かったことに関しては、改革の実行部隊が息子だったせいもあったかもしれない。「身内贔屓か?」という受け止め方になっていたかもしれないから。私にしたら贔屓でも何でもなくて、ロジックにも社内のシステム的な問題にも総合的に精通していたのが息子だっただけの話なんだけどね。
第一、親父が息子に自分の会社の改革をやらせるなんて、普通はないから。「現状改善したいから、外からの視線で気付くことを忌憚なく言ってくれ」とか言って自分から頼んだくせに、いざ息子が的確な指摘をしてきたら、「そんなことは知っている。お前は何もわかってない」とか「現場をわかっていないお前に言われたくない!」とか感情的に抵抗して喧嘩別れする親子関係のほうが大半だからね。
そのことをうちの幹部社員たちがもし知識としてでも知っていたら、もう少し早く、もう少し楽に進んでいたと思うけど。
まぁ、そこを愚痴ってもしょうがないね(笑)。根気強く続けたワンオンワンミーティングで、ようやくみんなが理解し本気になってくれたから、ここからは伸びしろしかないと思っている。
「無知の知」の本質は素直さ
自己認識を歪めない素直さ
アップデートの基本は「無知の知」だ。そういえば母は、冒頭で話した2005年頃から「私は馬鹿だから」が口癖となった。多分、母がしゃべりで人を惹きつけてしまうのを格好つけの父が羨ましくも妬ましくも感じて、「お前は馬鹿なんだから(そんなに出しゃばるな)」と昔から言っていたから、それで母も口癖になったんだと思う。
母は周囲を笑いに持っていくのがうまい。プラグマティストだから、馬鹿を演じていれば人が安心して寄ってきてお客さんが増える、友だちも増える、それでいいじゃないか、ありがたいことじゃないかと思っているんだろう。「頭いいからって小難しいことを言って人を遠ざけるほうがバカだと思うよ」とよく言っていた。
それを自然にできるのが素晴らしいと思うし、それが「無知の知」の実践になっているところを尊敬する。私は思うんだけど、「無知の知」の本質って、素直さなんじゃないかな。謙虚さというより素直さ。知らないことは知らないこととしてフラットに自己評価ができる素直さ。自己認識を歪めないという意味での素直さ。それが本当の「無知の知」なんだよ。
――と、私がせっかく深いい話をしていたら、制作チームの一人が「お母様、ロックな人ですね」とまとめた。「既存の枠組みに囚われない、破壊と刷新を怖がらない精神」がロックンロールだそうだ。ふうん・・・と思って聞いていたら、「だって誕生日も69ですし」だと。笑わせんなっての。
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vol.105 経営改革が進行中の今、「創業家のDNA」の起源を見つけて考えたこと
(2025.7.16)
著者プロフィール
佐藤 勝人 Katsuhito Sato
サトーカメラ代表取締役副社長/日本販売促進研究所.商業経営コンサルタント/想道美留(上海)有限公司チーフコンサルタント/作新学院大学客員教授/宇都宮メディア.アーツ専門学校特別講師/商業経営者育成「勝人塾」塾長
経 歴
栃木県宇都宮市生まれ。1988年、23歳で家業のカメラ店を地域密着型のカメラ写真専門店に業態転換し社員ゼロから兄弟でスタート。「想い出をキレイに一生残すために」という企業理念のもと、栃木県エリアに絞り込み専門分野に集中特化することで独自の経営スタイルを確立しながら自身4度目となるビジネスモデルの変革に挑戦中。栃木県民のカメラ・レンズ年間消費量を全国平均の3倍以上に押し上げ圧倒的1位を獲得(総務省調べ)。2015年キヤノン中国と業務提携しサトーカメラ宇都宮本店をモデルにしたアジア№1の上海ショールームを開設。中国のカメラ業界のコンサルティングにも携わっている。また商業経営コンサルタントとしても全国15ヶ所で経営者育成塾「勝人塾」を主宰。実務家歴39年目にして商業経営コンサルタント歴22年目と二足の草鞋を履き続ける実践的育成法で唯一無二の指導者となる。年商1000万〜1兆円企業と支援先は広がり、規模・業態・業種・業界を問わず、あらゆる企業から評価を得ている。最新刊に「地域密着店がリアル×ネットで全国繁盛店になる方法」(同文館出版)がある。Youtube公式チャンネル「サトーカメラch」「佐藤勝人」でも情報発信中。
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