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繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート  vol.56 思い込みで順番を間違うと台無しになるのはビジネスもトレーニングも同じだった

ビジネス 繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート vol.56 思い込みで順番を間違うと台無しになるのはビジネスもトレーニングも同じだった 繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート 商業経営コンサルタント/サトーカメラ代表取締役副社長

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皆さんこんにちは。佐藤勝人です。いやー、失敗した。年に一度の人間ドックで身体測定をしたんだけど、お腹が全然へこんでなかった。パーソナルジムでいい先生に付いて一年間鍛えて、体つきも変わっていたのに、肝心の胴囲はそのまま。体脂肪率も同じ。「ウソ、なんで?」ってドクターに聞いたら・・・。
 
 

耳に入っていなかった金言
順番を間違って台無しに

 
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この記事が出る6月16日に滋賀勝人塾が始動! 写真は会場の
コワーキングスペース「hitokado」。事務局の中山博識社長と
「佐藤さん、食べないでやってるでしょ。栄養をとらずにトレーニングすると代わりに筋肉を栄養にしちゃうから駄目なんです」ということだった。確かに今私は一日一食。夕飯しか食べない。お客さんと居る時はランチが入って二食だ。食事の後どうしているかも聞かれたから、「寝転がってプロ野球中継を見てる」と答えたら、それもNGだって。飢餓モードで栄養をとると体がここぞとばかりに吸収するから、そのタイミングで寝そべって楽をしていたら脂肪を溜め込むいっぽうなんだそうだ。
 
言われてみれば、確かにジムの先生も「食べてからやりましょう」と言っていた。でもこっちの耳に入っていなかったんだね。順番を間違うと台無しになるとはこのことだ。「俺は56歳になってもまだ自分の体のことがわかっていない」と呆れたよ。
 
 

私が一般のコンサルタントと違うのは
「自己相対化」が得意なこと

 
そして臨んだ一年半ぶりの富山勝人塾。初日は主催者である富山県中小企業団体中央会と滑川商工会議所の皆さんも臨席されていて、口々に言ったのは「初めて見た。ビックリした」ということだった。
 
何が初めてって、参加した経営者たちの悩みにパンッパンッとその場で的確に答えたコンサルタントは初めてだ、ということだった。大体の先生は「御社にうかがって詳しく見てから・・・」とお茶を濁すんだってね。
 
私の場合はそうじゃない。各自の実情に合ったアドバイスがその場でできる。それは私が「自己相対化」が得意だからだ。「56歳になってまだ自分のことが~」と話したのと矛盾するが、あっちはプライベートの体づくり、こっちは仕事だ。仕事のことなら、私は自分を相対化して相手の話に沿うのが得意だ。問題に合わせて自分の経験を振り返り、相手のレベルまで降りていってアドバイスすることができる。
 
他の先生方は今の自分のレベルから降りられないで話を聞くのが普通だから、問題がバカバカしく感じるんだろう。だからリアルな助言ができないし、上から目線になってしまって相手に響かない。塾の主催者側は両者の違いを生で初めて見たわけだ。だから驚いたんだね。
 
 

世間相場で拙速にあきらめるな
衰退産業にもやりようはある

 
その参加者の中に一人、父親の事業を継ぎたくないと言う跡取りがいた。社員も数名いる立派な会社だ。お父さんは今何をしているか聞いたら、毎日ゴルフばかりしていると言う。好きじゃない仕事を継げと言われていかにも不服そうな彼に、私は言ってあげた。
 
「お父さんが毎日遊んでいるのはなぜだと思う? 君が立派だからだよ。君が能無しだったらお父さんは遊んでいられないよ。君はお父さんの仕事を継ぎたくないと言うけど、君の報酬が今の倍だったらどうだ? いまいちか。じゃあ3倍だったら? 文句なしか。ならそれでやればいいじゃないか。」
 
彼は「えっ!?」という顔をしている。
 
「二代目三代目はみんなそうなんだよ。この仕事が好きか嫌いかじゃないの。私だってそうだったよ。たまたま自営業の家に生まれて、家業だったから社員はいなかったけど地域のお客さんがたくさんいる。なのに自分がやりたくないからって継がなかったら地域の人たちが迷惑するよ。だったら自分の中で折り合いをつけるしかないんだよ。お金でそれが済むならそうすればいいんだよ。そのうえで、私の話を聴いてくれるか?」
 
主催者いわく、こういう持って行き方も初めて見たそうだ。今の教育の現場は「自分の好きなことをしましょう」しか教えない。親も「お前の好きな道に進め」としか言わない。そうすると、はたからは「素直に継げばいいのに」と感じる人が何かと理由を付けて悩んでいるケースがすごく多い。
 
私に言わせれば問題の根っこは簡単で、ようは衰退産業だからなんだ。今の若者は賢いから、世間相場からして先が見えないとすぐ終わりだと思ってしまう。私たち専門家から言わせたらいくらでもやりようはあるんだけどね。
 
 

正しさで生き残れるなら懺悔室は要らない
後から言うキレイゴトに騙されるな

 
やりようはいくらでもある――。ここで大事なのは「自縄自縛に陥らないこと」だ。例えば今までにこんなケースがあった。
 
事業が倒産寸前で、銀行や会計事務所に相談してもどこに相談しても、「今のうちに閉めましょう」としか言われない会社があった。藁にも縋る思いで依頼したコンサルタントにも同じことを言われて、「弁護士費用は400万円かかります」とご丁寧に破産管財人の依頼相場まで教えてくれたそうだ。そうやって途方に暮れていたときに私が紹介された。
 
私はバーッと帳簿を見てから、「どうしたいの?」と社長に聞いた。社長は声を震わせて「潰したくない」と言った。以下は私とのやりとりだ。
 
「OKわかった。じゃ、やろう。」
「大丈夫なんですか?」
「大丈夫だよこんな程度の赤字、赤字じゃないよ。年に1000万ちょいでしょ? 売ればいいんだよ。今ここに在庫がいくらあるの? 3000万円か。よし、安売りでいいから全部現金化しろ。」
「安売りしちゃ駄目じゃないですか!」
「何言ってんの。誰が言ってんのそんなこと。安売りでいいんだよ! 第一週は1割引、二週は2割引、三週は3割引。そう書いて案内を出せ! それも全顧客にだ! 今まで上得意様にしか案内していなかったんじゃないのか?」
「だって今までいろいろな先生に安売りは駄目、価値を上げろと教わってきたから・・・。」
「それは正しいけど、今は間違いだ。とにかく現金化だ! 値札を張り替えるのは大変だから『レジにて割引』でいい。スグやれ!」
「わかりました!」
 
これをすると一週目で売れ筋商品は大体売れる。買い逃したくないアイテムがあるお客さんは一割引でいいからというので早めに買う。次が二週目で売れる。三週目で三番人気の商品がなくなる。割引率のスケジュールを最初から示すことでいろいろな意味での期待感が生まれる。
 
「もう少し利益を残したいなら、先に値札を1割2割と高く付け替えておけ!」
「いいんですかそんなことして!?!?」
「いい! 今考えるべきは生き残ることだ。某大手チェーンストアですら全品2割引と言いながらチラシを出す前日にこっそり値段を上げた。生き死にがかかっているときは生きることが最優先だ。正しいか正しくないかなんてのは生き残ったやつだけが言えることだよ。」
「わかりました!」言いながら社長は泣いていた。“正しさ”の自縄自縛から解き放たれた瞬間だった。
 
この話で思い出すのがサッカーの世界だ。日本代表が初めてワールドカップに出たとき、私たちは海外の代表選手の汚いプレーに憤慨したものだった。袖はつかむわ、肘鉄は食らわすわ、蹴られてないのに蹴られたとアピールするわの惨めなプレー、それに比べて侍ジャパンはなんてフェアプレー精神に溢れているんだろうと感心していた。負けても「いい試合だった」と納得し、所詮お祭りなのだからいいじゃないかとヘラヘラ笑っていた。でも、それは代表選手を侮辱する考えだったことを後から思い知らされた。
 
海外の代表は2枚までイエローカードをもらえるつもりで勝負している。生き残るためにはギリギリのラフプレーは許されることを知っている。正しさだけで生き残れるなら教会に懺悔室はいらないんだよ。
 
ビジネスもある意味で同じだ。まず結果を出す。使える手は全部使って生き残る。経営体質に手を付けるのはそれからだよ。
 
順番を間違って台無しにならないよう、気を付けないとね。
 
 
■6月16日滋賀勝人塾IN大津
事務局 中山スポーツ
 
■6月22日和歌山勝人塾IN南部
事務局 藤原農機
 
■6月29日勝人塾オンラインセミナー
事務局 サトーカメラオンライン事業部
https://bit.ly/3gC9iB2
 
■7月12・13日岡崎勝人塾IN岡崎
事務局 岡崎商工会議所
https://www.facebook.com/okazakikatsuhitojyuku
 
■7月14日新潟勝人塾IN巻
事務局 おぐま式POP塾
https://bit.ly/2SH94PK
 
■7月20日岐阜勝人塾IN岐阜
事務局 メイクオーヴァ
https://bit.ly/3cQjcMX
 
■7月21日滋賀勝人塾IN大津
事務局 中山スポーツ
 
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繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート
vol.56 思い込みで順番を間違うと台無しになるのはビジネスもトレーニングも同じだった

 著者プロフィール  

佐藤 勝人 Katsuhito Sato

サトーカメラ株式会社・代表取締役副社長/日本販売促進研究所・商業経営コンサルタント/想道美留(上海)有限公司・チーフコンサルタント/作新学院大学・客員教授/宇都宮メディアアーツ専門学校・特別講師

 経 歴  

1964年栃木県宇都宮市生まれ。1988年、兄弟とともに家業のカメラ店をカメラ専門チェーン店に業態転換させ、商圏をあえて栃木県内に絞ることにより、大手に負けない経営の差別化を図った。以来、「想い出をキレイに一生残すために」というコンセプトを追求し続けて県内に18店舗を展開。同時におちこぼれ社員たちを再生させる手腕にも評価が高まり、全国から経営者や幹部リーダーたちが同社を視察に訪れている。2015年からはキャノン中国とコンサルティング契約を結び、現場の人材育成の指導にあたる。主な著書に『売れない時代はチラシで売れ』『エキサイティングに売れ』(以上同文館出版)『日本でいちばん楽しそうな社員たち』(アスコム)『一点集中で中小店は必ず勝てる』(商業界)『断トツに勝つ人の地域一番化戦略』(商業界)など。新刊の『モノが売れない時代の「繁盛」のつくり方』(同文舘出版)が好評発売中。

 オフィシャルサイト 

http://satokatsuhito.com/

 オフィシャルフェイスブック 

https://www.facebook.com/katsuhito.sato.3?fref=ts

 サトーカメラオフィシャルサイト 

http://satocame.com/

 
 
(2021.6.16)
 

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