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◆世界有数のデニム産地
備後地方・尾道から発信

 
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働く人の物語とまちの魅力を、デニムを介して尾道から発信
恐らく、多くの人が1本は持っているであろう定番のファッションアイテム、デニム。歴史をたどると、その丈夫さからアメリカで労働者の勲章として広まり、戦後に日本へ。その後、時代と共にシルエットもデザインも多様化し、今や男女問わずカジュアルなコーディネートに欠かせないアイテムとなりました。
 
穿き続けることでクラッシュや色落ちといった変化が加わることから、“育てる”という楽しみがあるのもデニムの妙味。穿く人のライフスタイルが反映され、1本ごとに個性が出るため、USEDのデニムは人気が高く、コレクターも少なくありません。
 
今、広島県尾道市を舞台に、そうしたデニムの魅力を最大限に感じさせてくれるプロジェクトが盛り上がりを見せています。尾道のある備後地方は、実は世界有数のデニム産地。備後地方で受け継がれる優れた技術と、尾道の風土や人の魅力を世界に発信すべくスタートしたのが「尾道デニムプロジェクト」です。穿く人と共に成長するこだわりのデニムや、人から人へ物語を引き継ぐ “リアルUSED”デニムづくり――その気になる全容とは?
 
 

◆物語を刻んだオンリーワン
「ONOMICHI DENIM」

 
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新品のデニムに働く人々の日常を刻む
「本物」のUSEDデニム――それは、穿く人一人ひとりの個性と物語が現れた、オンリーワン。それを創作するとなると、USED風の加工を施すわけではありません。気になる方法は、なんと約1年をかけて、実際に人に穿いてもらうというものなのです。使用するデニムはもちろん、染めから縫製・仕上げまでの全てを備後地方の職人によってつくられたもの。穿きこむにつれて、絶妙な色と風合いを生み、穿く人の体に馴染んでいきます。
 
プロジェクト第1弾では、農家や漁師、飲食業、デザイナーに保育士、大学生など、尾道市で働く270人が参加しました。2本のデニムを週ごとのローテーションで穿いてもらい、その都度回収、状態を見ながら職人が丁寧に洗いをかけること1年。540本の、表情が全く異なるUSEDデニムが完成したのです。この1本ずつに目を通し、価格を付け、旗艦店「ONOMICHI DENIM SHOP」に、全て1点モノの商品として並びました。
 
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土に触れる農家デニムは優しい表情に
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漁師さんたちもデニムを穿いてお仕事
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火花や鉄粉を浴びた鉄工所デニム
 
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アタリや傷から、居酒屋で働く人のイメージが膨らむ
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自動車整備士の丁寧な仕事ぶりが伝わるような色落ち
 
 

◆デニムでつながる
人と人、尾道と世界

 
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新品のデニムを自分色に育てる楽しみ
現在も約100人でプロジェクトは進行中。デニムは尾道を飛び出し、国内外の各地で働く様々な人の手で新たな物語を刻まれ、続々と新たなオンリーワンデニムが生まれています。Webサイトでは、参加者の仕事やデニムの様子をうかがい知ることも可能です。
 
実はこのプロジェクト、オンラインショップから新品のデニムと共に参加権を購入すれば、誰でも参加が可能です。シリアルナンバーがスタンピングされたデニムが届いたら、あとはしっかり穿きこむだけ。「完成した」と思うタイミングで、ショップに送ると、査定後に委託販売されるシステムです。自分の物語を、デニムを通じて誰かが引き継いでくれる楽しみを、ぜひ味わってみてください。
 
この他、実店舗では、プロジェクトに参加した働く人々の声から生まれたワークパンツの販売や、リペア・洗濯といったサービスなども展開中なので、デニム好きの人はぜひ1度、尾道を訪れてみてはいかがでしょうか。デニムを介してつながる、尾道と世界、人と人。壮大かつ、温もりに満ちた「尾道デニムプロジェクト」のさらなる広がりに期待しましょう。
 
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尾道デニムプロジェクト
http://www.onomichidenim.com/
 
 
 
 

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