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穿きこむことで自分だけの虹色へ
復活を遂げるレインボージーンズ
UCHIDA HOUSEI

 

◆岡山の老舗ジーンズ縫製工場発!
 豪雨災害で途絶えた幻のデニムとは

 
性別・年齢を問わず、世界中で愛されているファッションアイテム、ジーンズ。穿きこむにつれて丈夫なデニム地の風合いが少しずつ変化していくこともあり、長年かけて自分だけの1本へと“育てる”ことを楽しむ愛好家も少なくありません。
 
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豪雨により浸水してしまった生地の片付け作業時
まさに、そんなジーンズ好きの心をくすぐる“経年変化が楽しみで毎日穿いてしまう”というコンセプトのもと、色落ちにより虹色へと変化する今までにないジーンズ「レインボー」が、2017年、岡山県津山市で誕生しました。手がけたのは、国内外の一流ブランドの縫製も行い、半世紀にわたりジーンズを中心にデニム製品の縫製を続ける内田縫製。老舗縫製工場の経験と技術、ものづくりのこだわりを落とし込んだ自社ブランド「UCHIDA HOUSEI」のアイテムとして発表すると、たちまち話題となりました。ところが、好評を得て追加生産をしようとした矢先に発生したのが、2018年6月の西日本豪雨だったのです。
 
豪雨により、真備町の裁断工場で保管していたレインボーをはじめとする生地はすべて浸水し、廃棄処分に。製造工程が特殊なレインボーの生地をつくるには、当時、最低でもジーンズ1000本分以上のロットが必要でした。しかし、ブランド開始から間もなかったこともあり、再びこの生地をつくることは叶わず、レインボーは“幻のデニム”となってしまったのです。――それから4年の歳月を経て、今まさに、レインボージーンズは復活を遂げようとしています。今回は、新生レインボー誕生へ向けたドラマと、その魅力に注目しました。
 
 

◆ユーザーの思いに応えて復活の決意
 より良い生地づくりのために試行錯誤

 
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4年間穿き続け、美しい虹色へと育った初代レインボー
現在、応援購入サービス「Makuake」内で先行販売をスタートし、多くの支持を得ているレインボー。復活のきっかけは、2021年9月に依頼を受けた、初代レインボーのリペアだったと言います。穿く人の体型やライフスタイルによって唯一無二の経年変化を遂げるのがジーンズの魅力。内田縫製の内田政行社長も、送り出した初代レインボーが「どのような変化を遂げているか、ずっと気になっていた」と言います。そんな中で届いた4年間毎日穿きこまれたジーンズは、“永く穿いて経年変化を楽しむ”を表した1本に仕上がっていたのだとか。この写真をSNSに投稿すると、大きな反響が寄せられ、ここからレインボー復活への取り組みが動き始めました。
 
通常、インディゴで染めた経糸と白い緯糸から成るデニム生地。経糸は「ロープ染色」という製法で染めるため、糸の中心部分はインディゴに染まらず白く残ります。ジーンズを穿きこむことで、足の付け根部分の「ヒゲ」や膝裏の「ハチノス」といった擦れ跡――いわゆる「アタリ」が出るのは、経糸のインディゴが剥がれて芯の白い部分が露出するため。レインボーデニムの経糸は白い部分をカラフルな色で染めてからインディゴで染めるので、鮮やかな虹色が表れるというわけです。
 
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通常のデニム生地の断面。芯は白いまま残っている
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レインボーデニムの断面はこんなにカラフル!
 
レインボーデニム復活に向けてより良い生地をつくるべく、岡山県倉敷市児島の織物メーカー・株式会社ショーワとタッグを組み、下染めの染色方法や染料の配合、ロープ染色回数、抜染試験など、試行錯誤を重ねてきました。下染めした糸をインディゴロープ染色すると何色だったかわからなくなるので、カラフルな経糸を偏りなく並べるために、インディゴ染色後に巻き取り機にセットしてすべての糸色を把握。また、より鮮やかな虹色を目指して赤茶系の色を抜き、ピンク・紫を追加するなど、7色の糸の色味も調整しました。こうして半年近くの時間をかけ、ようやく新生レインボーデニムが復活の時を迎えようとしています。
 
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抜染試験の様子
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経糸を1本ずつ巻き取り機セット
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左が初代、右が新レインボーの糸
 
 

◆縫製工場ならではのアフターサービスも
 永く穿き続けられる細部まで凝ったジーンズ

 
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穿きこんでいくと、バックポケットに虹がかかる
Makuakeで先行発売されたレインボージーンズは、UCHIDA HOUSEIの定番かつすっきりとしたシルエットが美しいスリムテーパード「450-RAINBOW」と、経年変化を最大限に楽しめるヴィンテージストレートの「452-RAINBOW」の2種類。アタリの出やすいバックポケット部分には、虹のシルエットが浮かび上がる遊び心たっぷりな加工に加え、応援購入のジーンズにはレインボー復活と内田縫製設立40周年を記念した限定革パッチが施されているので、見逃せません。また「普段ジーンズを穿かないけれど、レインボー復活を応援したい」という人は、Makuake限定でレインボーデニムのトートバッグやサコッシュも登場しているのでぜひチェックしてみてください。
 
通常のデニム地に比べ、製造には何倍もの時間と手間暇がかかるレインボー。UCHIDA HOUSEIはこうしたオリジナル生地づくりができるのはもちろん、ジーンズ一本一本のシルエットやディテールまで凝り、リペアなどのアフターサービスに応えられるのは、長年ジーンズの縫製を手がけてきた縫製工場のオリジナルブランドの大きな強みと言えるでしょう。
 
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450-RAINBOWはきれいめな大人のテーパード
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太さも絶妙なヴィンテージストレートの452-RAINBOW
 
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レインボーデニムのサコッシュはMakuake限定!
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「さくら」とインディゴ2色展開の便利なA4トートバッグ
 
豪雨災害から一時は幻となるも、ユーザーの期待とつくり手の熱意で、見事復活を遂げた虹色のジーンズ、レインボー。今後はジーンズ以外にも、ジャケットやバッグといったさまざまなレインボーデニム製品の展開も期待され、一般発売が待ち遠しい限りです。トレンドに左右されないレインボージーンズを自分だけの虹色に育て、オンリーワンのコーディネートを楽しんでみてはいかがでしょうか。
 
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UCHIDA HOUSEI
https://uchida-factory.co.jp/

https://www.makuake.com/project/uchidahousei-01 (Makuake)
 

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