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俺の借金全部でなんぼや? ― 複式簿記って素晴らしい ―その5

 
 お金にまつわるコラムを書き綴りながらも、複式簿記の素晴らしさを知ってもらい、かつ公会計になぜ複式簿記が必要なのかを「この徒然泣き!人生」の中で問いかけ続けています。今回のテーマは先月号 (Vol.27) に続けて2回目です。先月の内容は
 
1、はじめに
2、素晴らしき複式簿記の再認識
3、単式簿記による予算準拠主義の弊害
4、財産管理の結果判明した損失の原因把握の仕方
 
でした。そしてここからが今月号です。
 
5、単式簿記による損益の原因別計算の具体的計算方法
6、単式簿記の限界 ―日々の取引から誘導する貸借対照表・損益計算書作成の必要性―
7、なぜ、公会計に複式簿記なのか?
 
さらに次回、6月号では以下の点を述べて決着とします。
 
8、予算と会計の関係 ―公会計から溢れ出る矛盾の解決策は?―
9、地方公共団体の設備更新問題
10、財務書類の作成には総務省方式改訂モデルではダメだ
 
 先月号ではカラオケ曲 「俺の借金全部でなんぼや?」 の作詞者からの問いかけに対して、あえて単式簿記の手法で作成した貸借対照表から、 カラオケ曲の主人公 「じゅん正樹」  氏の借金残高を計算し、損失の把握もしました (なお複式簿記から導いた答えは本稿 vol.10vol.11 をご覧ください)。そして単式簿記による予算準拠主義の弊害についても触れました。
 
 

5、単式簿記による損益の原因別計算の具体的計算方法

 
 「じゅん正樹」 氏の「俺の借金全部でなんぼや?」 の問いかけに対する答えはしましたが、ではなぜそのような損失が出てしまい、結果として13600円の負債ができてしまったかの 「原因別計算」 はまだできていません。
 それでは、なぜこのような結果になったのかを調べてみましょう。先月号の仕訳から損益に関係する部分をまず抜き出してみます。
 

【仕訳2】 パチンコで5千円負けてもたから、乾物屋の中西に8千円借りた

  パチンコ遊興費  5000 /  現金 5000
 
【仕訳3】 (ゆうちゃんに3千円返して)2千円競馬をやったら、19,000円勝ってしもうた。
  競馬遊興費  2000 /  現金 2000
  現金  19000 /  雑収入(競馬) 19000
 
【仕訳4】 (6千円乾物屋の中西に返して)残りで飲みにいったら、(16,000円しかなく)3,600円足れへんかった。
  交際費  19600 /  現金  16000
    /  未払金(飲み屋つけ)  3600
 
【仕訳5】 明日払うわ!言うて(車代千円借りて)帰りにタクシー代千円払った。
  旅費交通費(タクシー代) 1000 /   現金 1000
 
【仕訳6】 おかまの五郎ちゃんと朝までポーカーやる。結局5千円負けてしまった。
  遊興費(ポーカー代) 5000 /  未払金   5000
 

上記仕訳から収入と支払の部分を拾い上げてみます。

 
収入の拾い上げ計算
1、競馬で勝ち +19000円 (A)
支払いの拾い上げ計算  
1、お好み焼き屋のゆうゃんから借りた5千円すべてパチンコで負けた △5000円
2、競馬の馬券代金 △2000円
3、乾物屋の中西に借金返した後、飲み屋で19600円(内ツケ3600円) △19600円
4、飲み屋で借りた金でタクシー代支払い △1000円
5、オカマの五郎ちゃんとポーカーやって負け(全額未払) △5000円
経費合計 △32600円 (B)
差引損失 (A)―(B)= △13600円  
 
 
 
 

 

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