◆贅沢に鮨店を貸し切り!
予約が取れない人気店
“ビジネスマンの聖地” とも称される新橋の駅前ビルには、業態も様々な店がひしめき合っています。特に、飲食店は個性豊かな店舗が新旧入り混じり、まるで食のアミューズメント施設のよう。17時をまわれば、どの店をのぞいても賑わっている様子がうかがえます。
行列ができる有名店も多い中で、噂を呼んでいるのが2号館の地下にある 「すし処 まさ」。店の外に行列が伸びているわけでも、派手な看板があるわけでもないものの、今や予約困難となっている知る人ぞ知る人気店です。上品な趣ののれんをくぐると、先に広がる空間は、なんとたったの1.82坪! お世辞にも広いとは言えない店内を、総檜の立派なカウンターが占拠しています。席数は最大4席だそうですが、大人が3人も座ればすっかり埋まってしまうスペース・・・。
しかし、それもそのはず。「すし処 まさ」 は、18時と20時30分からの完全予約制。贅沢にも、店を貸し切り状態で、職人を独り占めできる鮨店なのです。
◆目の前のお客様のために
職人のこだわりの粋を提供
腕をふるうのは、店主の鈴木優氏。鈴木氏が新橋駅前ビルに店を構えたのは、2010年のことでした。以前は、現在の約10倍の席数を有した店を構えていたといいます。しかし、席数が多いことでお客様を待たせてしまうことや、すべての席に自分の目や気配りが行き届かないこともあったのだとか。
そこで、「いっそ、もっと小さな店を」 と思い立ち、偶然見つけたのが、2坪にも満たない今の 「すし処 まさ」 の場所でした。
もともと小料理屋だった店を、全面改装。限られた空間の中には、鮨店然とした風格が漂っています。内装だけでなく、器もすべて 「無名でも、自分の料理と相性のいい、温もりが感じられるような作家さんのものが良いと思って」 と、鈴木氏がセレクト。自身の料理を味わう人への、おもてなしの気持ちが細部にまで行き届いているのです。
もちろん、人気の理由は、こうした特別感や話題性だけではありません。やはり、料理の味が一番の理由。鈴木氏は毎日築地へ足を運び、旬の素材を自ら目利きし、その日に使うぶんだけを仕入れてきます。新鮮な魚介は、それだけで美味しいのは当たり前。しかし、ただ素材の新鮮さ、美味しさだけを売るのでは、どこの鮨店も同じでしょう。メインの握りを、より美味しく味わうために、遊び心を効かせたコース設定と、職人の仕事を施した鮨。これが、「すし処 まさ」 の真骨頂なのです。