高橋　私は「加西で暮らす」と心に決めました。決めたからには、将来を見据えて地域に貢献したい気持ちがあります。それには、この町にもっと感性豊かな大人を増やすことも必要だと思ったんです。地元の大人が田舎の価値観に閉じこもることなく、いつも笑顔でワクワクしていれば、子どもたちの故郷を見る目も変わってくるかもしれない。いつか、都会に憧れて出ていったとしても、加西だって都会と大差ない魅力的な場所だと気付けたら、経験と人脈と希望を持って帰ってきてくれると思うんです。実は、私には夢がありまして。おかげさまで今、地域の子どもたちが放課後にここへ遊びに来て、地面から出る噴水で遊んだり、さくらんぼを採ったり、休みの日にはみんなでBBQをしたり、夏休みはラジオ体操をする場所になっています。そんな子どもたちがいつか婚期を迎えた時、「ここでブライダルをしたい」と言ってもらうことを夢見ているんです。そのためにも、もっともっとこの場を認知していただけるように、魅力ある仕組みをつくり続けたいです。
 
狩野　なるほど、地域の大人たちが笑顔になることで、子どもたちの代にまで故郷の魅力をつないでいこうというわけだ。素晴らしい地域貢献になりそうです。
 
高橋　ありがとうございます。ash.は単にモノを売るのではなく、“感性を磨く場”でありたいと思っています。私の代で始めた事業なので走り出したばかりですが、会社として収益を確保しつつ、お寺の敷地内にあるこの空間で幅広い世代のコミュニティを生み出したい。そしてそれが、将来的に地域への貢献につながっていく。会社よし、お寺よし、地域よしの“三方よし”を実現できるよう、21世紀型の寺子屋として、地域のお役に立つ活動を続けていきます。