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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

命の誕生に寄り添う
地域の頼れる助産師

 

緊張を和らげる「つるりんこ出産」

 
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狩野 くるみ助産院さんならではの強みは何でしょう?
 
三木 「女性が本来持っている力を、出産時に最大限引き出すこと」ですね。それが、くるみ助産院の一番の強みです。
 
狩野 そういえばホームページに「助産師の無痛分娩 つるりんこ出産」と記載がありました。これは普通の無痛分娩とは違うんですか?
 
三木 「つるりんこ出産」は、出産時に心も体もゆるんで、赤ちゃんがスムーズに生まれてこられる状態のことです。私たちの出産時の合言葉は「眉毛上げて、口角上げる!」。実際にそうすると、不思議なくらい体に力が入らなくなるんですよ。笑顔になることで呼吸が深まり、子宮も自然とやわらかくなります。子宮は筋肉なので、緊張があると開きにくいんです。緊張がほぐれてあっという間に子宮口が開けば、ママさんにとっても赤ちゃんにとっても楽に出産できます。その景色は、頑張った人だけが味わえる静かなごほうびです。
 
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狩野 初めてのお産だと、20時間以上苦しんでようやく出産、なんて話はよくありますよね。私の妻も長男のときは難産で、やっと生まれた頃には、本人はもちろん見守る我々もヘトヘトになっていましたよ。
 
三木 長時間のお産はお母さんにも赤ちゃんにも大きな負担になります。だからこそ、「つるりんこ出産」を通じて、もっと多くの方に“無理のないお産”を知っていただきたいですね。もちろん「何かあったときに病院のほうが安心」と感じられる方もおられますが、我々助産師は、その“何か”が起こらないよう、日々の準備と観察を徹底しています。私は、妊婦さん一人ひとりの経過や状態が頭の中に入っていますので、妊婦健診時の表情や、電話の声一つでも変化に気付けます。小さな変化を見逃さず、安心してお産の日を迎えてもらえるよう、個別に寄り添えることが助産院の強みだと感じています。
 
狩野 野球で言えば、個人トレーナーというところでしょうか。
 
三木 かもしれませんね。人間の体と心はつながっているので、お一人おひとりに合わせて、全体を見て支えることを大切にしています。