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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

命の誕生に寄り添う
地域の頼れる助産師

 

産前・出産・産後のすべてを徹底サポート

 
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三木 車に乗ったものの気になって戻ると、次男は玄関にうつ伏せになり、一人で泣いていたんですよ。その姿を見たとき「人様の命も大事。でも、まずは我が子を守らないと」と強く思いました。あの日、私は心の奥で泣きました。どんなに忙しくても、一瞬でもいいから、子どもの元気な顔を見て、頭を撫でてあげられる毎日を送りたいと願い、開業を早める決意をしたんです。そして2006年、34歳のときに開院し、来年2026年でちょうど20周年を迎えます。これまでに5000件以上の出産と、11万人を超える母子のサポートをしてきました。
 
狩野 5000件以上ですか! 20年にわたり、多くの命の誕生に立ち会ってこられたんですね。
 
三木 2009年には、助産師の地位向上を目指して、助産院として日本で初めて法人化も果たしました。当院に通ってくださる方、そして助産師自身にとっても、法人化は信頼と安心につながると考えたんです。
 
狩野 社会的信用の向上、経営の発展にも、法人化は大きな意味があったでしょうね。ところで、屋号の「くるみ」もかわいらしい響きですよね。どういった由来があるのかも気になります。
 
三木 くるみは、女の子が生まれたらつけたいと思っていた名前です。私の子どもは男の子しかいなかったので、その願いは叶わなかったものの、助産院の名前は最初から“くるみ”しか浮かびませんでした。名付けたというより、最初からそうだったという感覚ですね。くるみ助産院で生まれる命を、我が子と同じ気持ちで迎えたいという思いがずっとあり、その姿勢が私の原点です。今では、私のことを「くるみ先生」と呼んでくれる方がいたり、ご自分のお子さんにくるみちゃんと名付けてくださる方がいたりして、とても嬉しく思っています。
 
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狩野 くるみちゃんがいっぱい! ある意味、三木院長の夢が叶いましたね(笑)。
 
三木 ええ、取り上げた赤ちゃんたちは、みんな我が子のようにかわいいです。だからこそ、お産だけでなく、ママたちの産後ケアや母乳相談にも丁寧に対応したいと思い、来院が難しい方にはオンラインや訪問サポートも行いますし、赤ちゃんやお子さんの体操教室、さまざまな不安を抱える女性のためのセミナー、育児相談のための喫茶会、イベント等も開いています。不安を抱えた方が、少しでも気軽に立ち寄れる場をつくることが、私のもう一つの役割だと感じています。
 
狩野 妊娠中から産後まで、手厚くフォローしてくださるんですね。妊娠・出産は、女性にとって人生の一大イベントです。徹底して長く寄り添ってくださる方がいるのは、心強いだろうなあ!