看護師からお産のプロ・助産師の道へ

インタビュアー 狩野恵輔(野球解説者)
三木 看護師として病院の全科を10年間担当していたんですよ。救急から慢性期、人間ドックまで幅広く関わり、命を、“部分”ではなく“全体”で診る視点が身につきました。
狩野 看護師として活躍なさっていた中で、助産師を目指したきっかけは何だったのでしょう。
三木 看護師として働く中で、「自分の責任で命と向き合いたい」という気持ちが強くなりました。指示を受けて動くのではなく、自分で判断して関われる仕事を考えた末、助産師という選択肢が浮かびました。正常なお産には医師の指示がなくても関わることができ、助産師には開業権もあるんですよ。知識も経験も活かし、自分の信念で命と向き合えるこの道に進もうと決意しました。
狩野 その後、経験を積まれて開業に至ったと。
三木 開業を決意するきっかけになった、忘れられない出来事があります。ある夜、深夜勤に出かける際、眠り損ねた当時3歳の次男が、玄関で目に涙を浮かべながら必死に我慢してバイバイを返してくれ、それ以上は何も言わずに座っていたんです。「泣いたらママが行けなくなる」と、小さな胸で理解していたのでしょう。胸が締めつけられ、愛しさと切なさが一気に押し寄せました。