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コラム ほめ達!の「未来を拓く言葉たち」第15回 他力本願で大願成就しよう ほめ達!の「未来を拓く言葉たち」 一般社団法人日本ほめる達人協会 理事長 西村貴好

コラム
こんにちは。仕事で自分のアイデアや意見が採用されない時、あなたはどうしますか? 今回はそんな時に役立つお話です。私と一緒に、未来を切り拓いていく言葉を獲得するためにトレーニングをして、あなた自身の言葉を磨く助けにしてください。
 
 

上司や先輩に助けてもらう“部下力”とは

 
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まずは“部下力”のお話をします。部下力とは、上司の力を上手に使って、仕事を進めていく力のことです。自分の考えがなかなか職場で採用されないと悩んでいる人は、それが自分だけのアイデアだったとしても、上司や先輩がひらめきのきっかけを与えてくれたものとして、会議などで発表してみてはいかがでしょうか。「部長のお話を聞いて思いついたアイデアなのですが・・・」というように。
 
自分のアイデアを、上司や先輩の考えが元になっていると、相手に花を持たせるように発表してみる。するとおもしろいほど、自分の考えを聞いてもらえるようになります。また、部下力を上げるために、頼みごとをするのも手ですね。「この案は穴だらけに感じます。だから、部長の意見を聞かせてもらっていいですか」とか、「ブラッシュアップの意見をもらってもいいですか」とか、目上の人に頼んで、協力してもらう。
 
このようにして、立場が上の人を巻き込んでみると、自分のアイデアが採用されやすくなるのです。 自分が仕事で最大限の力を発揮するためには、上司をうまく使うことが大事です。上司の力を借りることは、ビジネスマンの基本中の基本。実のところ、上司は部下にもっと、自分を頼ってほしいと思っているものですからね(笑)。
 
もちろん、上司や先輩に協力をお願いするためには、しかるべき準備が必要です。「ここまではできたんですけど、あともう一押し、部長の力をお借りできませんか」というように、最後の一押しをしてもらって、上司においしいところを持っていってもらう。
 
上司や先輩を立てながら、自分のアイデアを採用してもらうように働きかける。それを繰り返すことによって、上司や先輩はいつも、気持ちよく力を貸してくれるようになります。これこそが、“部下力”の基本ですね。
 
 

自力を出し尽くしたら他力に頼る

 
上司に対してさえも、自分から助けを求めるのはプライドが許さない――そう思う人もいるかもしれません。しかし、大きな願いは、自分の力だけでは成就できません。自分よりも力のある人に手を貸してもらう必要があります。
 
つまり、他力本願が必要です。この言葉の本来の意味は、「他人のふんどしで相撲を取る」ことではなく、「本当に大きな願いは自分1人の力では達成できないものだ」という仏教用語。自分の力だけではかなえられないような、大きな願いをかなえたいなら、自分よりも能力の高い人に、力を借りないといけないんですね。
 
ただし、他力はあくまで自力を出し尽くした先に生まれるもの。「持てる力をすべて使い切って限界まで力を出し尽くしました。しかし、自分だけでは目標を達成できそうにない。ぜひ、あなたのお力をお借りできませんか」と頼んでみる。
 
そして、自分のプライドがちっぽけに思えるほどの大きな夢、願いを持ちましょう。
 
大きな願いは、「みんなに協力してもらわないと登れない山にチャレンジすること」と同じだと考えてください。ハイキングで登るような山は1人でも大丈夫でしょう。しかし、エベレストにはチームで取り組まないと登れませんよね?
 
「単独登頂」というチャレンジもありますが、それは最終局面です。そこに至る直前のベースキャンプまでは、たくさんの仲間たちの協力を得てたどりついているはず。自分のプライドを守るために1人で頑張っているようでは、「登りたい山が低い」と指摘されても仕方ないでしょうね。
 
大きなことを成し遂げたいなら、上司や先輩、同僚の力を借りなければ達成できないくらいの山に挑戦する。「自分1人でやり遂げる!」だなんて意気込みは、むしろ小さすぎるプライド。大きなことを成し遂げるためだったら、誰に頭を下げてでも成し遂げようという強い思いを持つこと、これこそが本当のプライド。そういう真のプライドを持つことが大切です。
 
 

全力で走っていれば不安にはならない

 
そうやって自分の願いを成就させようとする途上で、迷ったり、不安になったりすることもあると思います。そんなときはどうすればいいんでしょうか。私の好きな言葉に、「全力で走る者に不安は追いつかない」というものがあります。そう、不安を抱えている人は、実は全力で走っていないんです。全力で走って、呼吸をすることですら必死の人は不安について考える余裕がありません。
 
不安は、ふと立ち止まった時に湧き上がってくるんです。普通に歩いている時に、足を上げた瞬間に、足元がぐらぐらして不安を感じる、それならまず、足をおろせばいいんですね。そうすれば、先につながる一歩になる。
 
不安を感じるのは、自分が立ち止まっているからなんです。だから、不安を感じる余裕がなくなるくらいに、何か行動してみる。どんな小さなことでもいいから、今できることを何かやってみる。そうすれば必ず、道は拓けるものなのです。
 
ほめ達!の「未来を拓く言葉たち」
第15回 他力本願で大願成就しよう
 
 
(2018.6.27)

 著者プロフィール  

西村 貴好 Nishimura Takayoshi

一般社団法人日本ほめる達人協会 理事長

 経 歴  

1968年生まれ。大阪府出身の「泣く子もほめる!」ほめる達人。ホテルを経営する家の三代目として生まれ、経営術を学びつつ育つ。関西大学法学部卒業後、大手不動産に入社して最年少トップセールスを樹立。その後、家業のホテルを継いで経験を積み、2005年に覆面調査会社「C’s」を創業する。短所ではなく長所を指摘することが調査対象の企業成長に効果があると発見し、「ほめる」ことの重要性に気付く。数々の実績を上げる中で、2010年2月に「ほめ達!」検定を実施する、一般社団法人日本ほめる達人協会を設立し、理事長に就任。以降、検定を通じて「ほめ達!」の伝播に尽力している。著書に『繁盛店の「ほめる」仕組み』(同文舘出版)、『ほめる生き方』(マガジンハウス)、『心をひらく「ほめグセ」の魔法』(経済界)、『泣く子もほめる!「ほめ達」の魔法』(経済界)、『人に好かれる話し方41』(三笠書房)などがある。

 日本ほめる達人協会オフィシャルサイト 

http://www.hometatsu.jp

 西村貴好オフィシャルブログ 

http://ameblo.jp/nishitaka217/

 フェイスブック 

https://www.facebook.com/hometatsu

 
 
 
 

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