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繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート  vol.54 新年度の組織づくりは三国志に学べ。ベタだけど一番参考になる! という話

ビジネス 繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート vol.54 新年度の組織づくりは三国志に学べ。ベタだけど一番参考になる! という話 繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート 商業経営コンサルタント/サトーカメラ代表取締役副社長

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皆さんこんにちは。佐藤勝人です。4月になったね。異動で部署が変わった人も多いんじゃないかな。新しく移る人もだけど、それを迎える側の人も実はドキドキしているのがこの季節だ。というわけで、今月は「これから組織づくりをしていかなければならない人たち」の参考になる話をしよう。
 
 

君は張飛だ! と言われて知った
ソニーの「三国志組織論」

 
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横浜にある関帝廟。自称関羽タイプの人は一度行ってみては
(撮影 ぺたぼんさん)
私が30歳の時だ。当時ソニー本社で中枢を担いソニーの頭脳と言われていた田中さんが、支社長として宇都宮に赴任して来た。それで懇意にさせていただいたんだけど、私と行き合うたびに「勉強しなさい、本を読みなさい」と根気よく諭してくれました。そのおかげで今の私は勉強好きの読書好きになったのだけど、その田中さんがおっしゃるには、ソニーは人事を『三国志』で考えるのだそうだ。
 
田中さんいわく、「かっちゃんは張飛だね!」だそうだ。私は「何ですかそれ。三国志? 知りませんよ。俺は天才だから勉強なんかする気もないし! 本なんか読まないから!」と最初は突っぱねた。まぁ、私も若かった(笑)。
 
でも、三国志から読めと勧められるものだから、その張飛という人物像も気になって、だけど読書が苦手だったから、先ずは横山光輝の漫画『三国志』を読んでみた。そうしたら、メチャおもしろい。すっかりハマった私は、そこから中国の歴史物の漫画を手当たり次第、貪るように読んだ。そこから本を読む習慣がついていった。私が読書というものを覚えたのは何を隠そう「漫画三国志」がきっかけだ。
 
しかし読んでいったら、自分が張飛だと言われたのはどうも納得できなかった。だからゴネていたら、田中さんは「かっちゃんは張飛じゃないなら曹操だ!」と曹操に変えてくれた。
 
それでやっと納得したけど、今思えば曹操じゃ組織論にならないんだよね。カリスマ過ぎて一人で全部やっちゃうから。それに比べて劉備のところは部下が有能で役割が分かれている。組織論を学ぶなら断然こっちだ。以下、各持ち味を挙げてみよう。
 
〇劉備玄徳 ‥‥いい意味でのらりくらりしている。敵をつくらない。毒を吐かない。徳がある。
〇諸葛孔明 ‥‥切れ者。劉備の頭脳となって支える。戦略家・知略担当。参謀役。
〇関羽雲長 ‥‥忠誠心の塊。劉備のことは絶対に裏切らない。正しくて強い守りのフォロワーシップ。
〇張飛翼徳 ‥‥強さの塊。豪放磊落でオレがオレがの猪突猛進。一騎当千どころか一騎当万、攻めのリーダーシップ。
〇趙雲子龍 ‥‥若くて優秀。フットワークが軽く、何でも人並み以上にこなす、切り込み隊長。
 
これで見ると、劉備は当然「社長」として、関羽、張飛、趙雲はそれぞれ「番頭さん」「営業部長」「若手エース」だ。強い組織づくりには規模の大小に関わらずこのトップ5人が揃わないと厳しい。どれが欠けても駄目で、誰にどの役をやらせるかが肝になる。
 
 

個別支援で活かす「三国志組織論」
業績を変える組織づくりの順番はどうする?

 
例えば私がA社から呼ばれて支援に入ったとして、私が最初に考えるのは誰を張飛にするかだ。社内にいなければ外から引っ張ってくるくらいの覚悟が必要だ。そうやって張飛が決まったら次は趙雲。まずはこの二人を決める。売り上げをつくっていくための両輪を決めるわけだ。
 
そのつもりで社内を見渡すと、大体は張飛的な社員というのは、部下を手懐けるのはうまいが管理型の上司には嫌われている。あるいは浮いている。社長も、「仕事はできる奴だけど生意気で扱いにくい」と思っている。そうやってみんながちょっとずつ敬遠するから、本人もつい突っ張って、素よりも反抗的にふるまっていたりする。そのあたりの微妙にひねくれた感情は、私も最初は「張飛」だったからよくわかる(笑)。
 
だから私が話をすると、彼らは目を輝かせて、「やっと俺のことを理解してくれる人が現れた!」とやる気になってくれる。私としては、彼らに趙雲的な社員をくっ付けて組ませることが業績立て直しの第一歩だ。
 
次は諸葛孔明を探す。孔明役がすぐ見つかることは少ない。そもそも孔明がいないから私が外部参謀として呼ばれたわけで、仮に素質がある人材がいたとしてもそのままでは軍師は務まらない。だから私は、素質がある人を見つけたらそばに置いてとことんかわいがる。そして軍師としてのイロハを教え込む。私がいなくなっても参謀役として社長を支えていけるようにするためだ。そうやって支援先の組織づくりを進めていく。
 
結構みんな勘違いしているなと思うのは、社員が社長に対して「完璧な強さを誇るカリスマ」曹操を求めたがる会社が多いんだよね。社員は「強さ」や「力」に憧れるから。そういう会社で社長について聞くと、「いい人なんだけど、煮え切らなくてイライラする」とか、「世襲のボンボンでからっきし頼りない」とか言う。それに対し私がいつも言うのはこうだ。
 
「いいんだよ社長ってのは世襲のボンボンで。劉備玄徳なのだから。社長がハッキリしちゃったら君たちみんなクビだよ。社長というのは、毒を吐かずにいて、どこに行ってもいい顔をすること、表面を良くすること、嫌われないこと、敵をつくらないことが仕事なんだから。」
 
また社長は社長で私に「自分も佐藤さんみたいな戦略家になりたい」と言ってくれる人が多い。それに対し私がいつも言うのはこうだ。
 
「社長が戦略家になっては駄目だ。社長が諸葛孔明をやったら組織は崩れます。三国志でも蜀の国は孔明が劉備社長の後を継いでから滅びたんだから。社長は何より有能な部下を従えて信頼することが一番の仕事です。」
 
ここまで読んで皆さんは、「あれ? 関羽は?」と思うだろう。そう、関羽は順序としては意外にも最後だ。なぜなら、関羽的な社員はどこの会社にも必ずいる。私が見つけるまでもなくいる。社長に信頼されていて、社内の信望も厚い、まさに昔の番頭さんタイプだ。さらに一言付け加えるならば、万が一クーデターを起こすとしたら大体がこのタイプだ。社長がぞんざいな扱いを繰り返せば、忠誠心の塊なぶん、忠誠が報われていないと感じたら逆恨みを始めるから要注意。
 
そして張飛と趙雲を引っ張りだして活躍させていくと、本人たちも競り合って勉強するからいい。第一、諸葛孔明がいないから空回りしていただけで、張飛の圧倒的攻撃力をちゃんとコントロールして戦略的に勝ちに繋げられる人がいれば、これほど頼もしい武将はいない。
 
では、張飛と趙雲が育っていった時に、関羽はどうなるか? 関羽も本来の力は張飛と五分を張るくらい強い存在だ。張飛が圧倒的なリーダーシップを持って趙雲と力を発揮してくれれば、出番到来とばかりにフォロワーシップで包み込むようなカバーに回るから大丈夫。そこまで役回りが機能すれば、最後の最後、社内に孔明が育っていたら組織づくりは完了だ。
 
 

一般社員にとって上司は「上使」
うまく使ってスタートダッシュを決めろ!

 
そのうえで、組織というものの理解にもう一味スパイスを利かせるとしたら、部下が上司を「上使」と捉えることだろう。この言い換えもソニーの田中さんに教わったんだけど、確かに私の経験から言っても、交渉事でも何でも、結局は上をどう使うかなんだよね。
 
「使う」というのは自分の仕事をやらせるという意味じゃなく、自分より上の人間の権威を利用するという意味だ。私自身、昔から本能的にこの仕事術を使っていたが、中国に進出した時にあらためて「上使」の重要性を感じた。
 
内容はもう詰めてるから後は現地の責任者である息子の勇士のほうでやれるんだけど、大事な契約とかはやっぱり、私が行って握手しないとスムーズに行かなかった。向こうとしては私が日本から来たということが重要で、それによって彼らのメンツも立つんだよね。
 
日本も中国も「縦割り文化」という点で似通っている。社外でも社内でも、一般社員の皆さんは上司を上手く使って取引や交渉事を有利に進めること。そしてスタートダッシュを決めろ! ヨロシク!
 
 
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繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート
vol.54 新年度の組織づくりは三国志に学べ。ベタだけど一番参考になる! という話

 著者プロフィール  

佐藤 勝人 Katsuhito Sato

サトーカメラ株式会社・代表取締役副社長/日本販売促進研究所・商業経営コンサルタント/想道美留(上海)有限公司・チーフコンサルタント/作新学院大学・客員教授/宇都宮メディアアーツ専門学校・特別講師

 経 歴  

1964年栃木県宇都宮市生まれ。1988年、兄弟とともに家業のカメラ店をカメラ専門チェーン店に業態転換させ、商圏をあえて栃木県内に絞ることにより、大手に負けない経営の差別化を図った。以来、「想い出をキレイに一生残すために」というコンセプトを追求し続けて県内に18店舗を展開。同時におちこぼれ社員たちを再生させる手腕にも評価が高まり、全国から経営者や幹部リーダーたちが同社を視察に訪れている。2015年からはキャノン中国とコンサルティング契約を結び、現場の人材育成の指導にあたる。主な著書に『売れない時代はチラシで売れ』『エキサイティングに売れ』(以上同文館出版)『日本でいちばん楽しそうな社員たち』(アスコム)『一点集中で中小店は必ず勝てる』(商業界)『断トツに勝つ人の地域一番化戦略』(商業界)など。新刊の『モノが売れない時代の「繁盛」のつくり方』(同文舘出版)が好評発売中。

 オフィシャルサイト 

http://satokatsuhito.com/

 オフィシャルフェイスブック 

https://www.facebook.com/katsuhito.sato.3?fref=ts

 サトーカメラオフィシャルサイト 

http://satocame.com/

 
 
(2021.4.21)
 

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