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◆伝統を守り進化を続ける 
刃物のSUWADAブランド

 
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新潟県三条市にある「SUWADA OPEN FACTORY」
“ものづくり大国”日本。製造拠点の海外進出や後継者不足といった懸念もある中、日本各地で伝統産業の良さがあらためて見直され、様々なイノベーションが起きています。
 
SUWADA(スワダ)は、鋭い切れ味と洗練されたデザインのニッパー型爪切りで世界にも知られる日本のブランド。製造する諏訪田製作所は、世界有数の刃物の産地である新潟県三条市で、大正15年に喰切鍛冶として創業しました。創業から現在に至るまで、両側の刃が合わさることで対象を切る喰切型の刃物に特化。材料の吟味から仕上げまで一貫してハンドメイドにこだわり、優れた伝統技術を守ると共に進化し続けています。
 
そんなSUWADAのイノベーションの1つは「SUWADA OPEN FACTORY(スワダ オープン ファクトリー)」のオープンでしょう。従来、閉鎖的であったものづくりの現場に対し、文字通り“開かれた工場”であるSUWADA OPEN FACTORY。職人の熟練の技と魂を、最先端の設備を通して五感で感じられる数少ない施設となっています。
 
 

◆スタイリッシュな工場見学 
職人の技術の粋をその目で!

 
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SUWADAの職人の熱意と技術に触れる
実際に職人が金属に魂を吹き込む現場であるSUWADA OPEN FACTORY。工場内は3エリアからなり、それぞれ見どころが満載です。
 
エントランスを抜けると、まずは製品や歴史を紹介するギャラリー。足を踏み入れると、いわゆる“工場見学”のイメージを変えるようなモダンな空間に驚くかもしれません。工場内には、職人が手がけたオブジェが展示されており、いずれも実際の鍛造工程で生じた廃材を利用したもの。見学スタートからSUWADAの世界観に魅せられてしまうこと必至です。
 
鍛造の工程では、鋼材を1000℃以上の高温で加熱し、400tもの力でたたくことで刃物に適した材料にしていく様子を見ることができます。ここで火の温度を計るのは、やはり鋭い職人の目です。おめがねに叶った材料は、さらに鍛え抜かれ、わずか3割程度にまで厳選したうえで、バリ抜きの工程へ。こうした精緻な製造工程を目にすることで、SUWADA製品の精度の高さに誰もが納得するでしょう。
 
鍛造された部品は、削ってそろえられ、組み合わることで原型に。そこからサンドペーパーや機械での研磨研削、全体のバランスを調整し、さらに研磨をかけることで美しいヘアライン加工や輝くような鏡面仕上げを施していきます。切れ味を左右する合刃の工程や刃付けの工程も全て、感覚が手に染みついた熟練の職人にしかこなせません。最後は、わずかな傷や不具合も見逃さない厳しいチェックを経て、SUWADAの商品は世に送り出されているのです。
 
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実際に職人が作業する製造の現場を見学することができる
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材料の吟味から仕上げまで、一貫して手仕事にこだわる
 
 

◆技術に自信があるからこそ 
どこまでも開かれた工場

 
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スタイリッシュな工場内。見学通路もゆったり
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細やかな職人仕事を、iPadを使ってズームで見ることも
SUWADA OPEN FACTORYは、いずれの作業場もガラス張りになっているので、見学通路からじっくりと職人の手仕事を見ることができます。その様子に惹かれ、「もっと近くで、素材や手先の動きが見たい」という気持ちになるかもしれません。そんな願いを叶えるのが、見学通路に据え付けられたiPad。嬉しいことに、作業場に設置されているカメラを操作し、職人の手元をズームで確認することも可能なのです。余すことなく、自信を持って技術を開示する――まさに“開かれた工場”と言えます。
 
この他、ファクトリーショップでは10月に発売となったばかりの爪切り「マスターピースコレクション」をはじめとした人気製品はもちろん、アウトレット品の販売や、製品の名入れサービスも行っているので、工場見学の際にはぜひチェックしてみてください。また、見学後や途中のひとやすみにぴったりなバールも併設。バリスタが一杯ずつ丁寧に入れるコーヒーからは、SUWADAの製品と同じように、こだわりが感じられるはずです。
 
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見学の休憩時には、バールでSUWADA特製カフェを
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SUWADAの最もスタンダードなつめ切り「CLASSIC(L)」
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新作「マスターピースコレクション」
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錆びにくい「ステンレス又枝切」
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盆栽の手入れに必須の「又枝切」
 
偽りや妥協のないものづくりを続けるSUWADAだからこそ、ここまでオープンにできたと言えるSUWADA OPEN FACTORY。見学を通じて、製品一つひとつに込められた職人の魂を感じることで、製品の見え方も変わってくるかもしれません。SUWADAでは製品のメンテナンスも手がけているので、一生のお付き合いも可能です。まずは一度、工場を訪れ、SUWADAのものづくりの情熱と技術を、体感してみてはいかがでしょうか。
 
 
SUWADA OPEN FACTORY
株式会社諏訪田製作所
〒959-1114 新潟県三条市高安寺1332
TEL 0256-45-6111
営業 10:00~17:00(ショップは~18:00)
定休日 日・月曜、祝日(ショップは年末年始のみ)
ホームページ
http://www.suwada.co.jp
 
 
 
 

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