日本の文化と人の縁を
未来へとつなぐ学び舎
子どもたちが「好き」に出会える学び場

峯川 いえ、私はこれまで一級建築士として、住宅やオフィス、宿泊施設、老舗料亭や酒蔵、お寺の宿坊の改修など、さまざまなプロジェクトに携わってきました。
水野 一級建築士さんでいらっしゃるんですか! いわば畑違いのお仕事から、現在の事業を始められた経緯が気になります。
峯川 建物を手がける中で強く感じたのは、建物の“形”をつくるのと同じくらい、そこで育まれる時間や営みが大切であるということでした。建物は人々の活動を支える器であり、その中に人が集い時間を重ねることで、新しい文化が生まれていきます。完成した建物が地域の人たちに愛され、長く使われ続けてこそ、その価値はより深まっていくもの。そこで、次世代を担う子どもたちが、そんな地域で生まれる文化に触れるきっかけをつくりたいと考え、学道教室を立ち上げたのです。
水野 建物そのものではなく、その先にあるものを見てこられたからこそ、今の事業があるのですね。
峯川 私は奈良県出身で、幼い頃から古都の文化や建築に囲まれ、日本文化を身近に感じながら育ったんです。就職を機に上京、さらに結婚を機に、ここ妙蓮寺に移り住み、子どもにも恵まれました。そうして家族との縁を通じて今の地域に暮らす中、この場所で日本文化を子どもたちに伝えることに意義があると考えるようになったんです。

峯川 「好き」に出会い、育むことです。子どもたちが何かに興味を持ち、「好き」と思えるきっかけをつくることを大切にしたいと思っています。何かに夢中になれる時間は、人生にとって大きな財産。子どもたちが自分の好きなことに出会えるように、お手伝いしています。
水野 子どもたちにたくさんの「好き」の選択肢を与えることが大切なのですね。
峯川 私が小学生の頃、若い先生がご自身の好きなことを熱く語ってくださったことが、今でも印象に残っているんですよ。今の学校教育は、世相の影響もあって、良くも悪くもカリキュラムや指導要領通り。学校で好きなことに出会う機会が十分に与えられないのであれば、自分がそういう場所をつくろうと考えました。
