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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

人事一筋40年の経験で
人を活かし企業を支援

 

システムは“人の力を活かす”ためにある

 
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吉井 中小企業の経営者様は、ご自身の作業負担が多く、人事業務まで手が回らないというケースが少なくありません。多忙の中、従業員一人ひとりまでフォローが行き届かず、やがて作業員の離職につながってしまうこともあるんですよ。
 
村田 切実な問題ですね・・・。実際の現場ではどういったサポートを?
 
吉井 人事制度や評価制度の設計、運用の支援を行います。制度をつくるだけでなく、それを“現場でどう活かしていくか”というところまでしっかり伴走するのが特徴ですね。
 
村田 なるほど。ただ仕組みをつくって終わりではないんですね。
 
吉井 ええ。例えば、とある企業からは、パワーハラスメントが発覚したことをきっかけに人事評価システムを見直したいというご相談をいただきました。当初、経営者様は非常に困惑しており、「誰に相談すべきか」「どこまで対応すべきか」がわからなかったそうです。私は複数の対応方針を提示し、従業員一人ひとりから話を聞いて、社内調査の進め方や、再発防止のための仕組みづくりを行いました。
 
村田 従業員全員にお話をお聞きになったとは驚きました! 一般的なコンサルティングではそこまではしないですよね。
 
吉井 確かに、経営者様からお話は聞いても、従業員すべてと話をすることは珍しいかもしれません。私は、会社の制度や仕組みは、そこで働く人のためにあると思っています。ですので、その企業の人々に適した、オーダーメイドの評価システムが必要だと感じ、つくるために現場の声を一人ずつ聞いていったのです。その結果、作業員の意識が明確になり、職場環境の改善に導くことができました。そうした私の姿勢を評価していただき、顧問契約を結んでいただけたんです。
 
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村田 以前、米国の保育施設で起きた話を思い出しました。子どもを預けるのに遅刻する利用者が多かった施設で罰金制度を導入したところ、「お金を払えば遅刻しても良いんだ」と思われて、逆に遅刻が激増してしまったそうなんです。利用者の心情にそぐわない仕組みをつくってしまうと、悪い文化が根付いてしまうことの例だと思いました。けれどこちらでは、信頼を得ることで組織を支えていると感じましたよ。
 
吉井 そう言っていただけて光栄です。無闇にルールを厳格化したり、ペナルティを課したりするだけでは組織は良くなりません。大切なのは、制度を使って人を縛ることではなく、信頼をベースにした仕組みで“人の力を活かす”ことなんです。従業員の方が「自分自身の力を発揮したい」と思える評価システムづくりが、結果的に職場全体の士気を高め、企業の成長にもつながると信じています。