B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

トピックスTOPICS

スポーツ 上原浩治のTrust Pitch! vol.20 任務をきっちりこなす仕事人 上原浩治のTrust Pitch! ボストン・レッドソックス投手

スポーツ

column.20 任務をきっちりこなす仕事人

 
 
 今回は担当・泉がボストンで上原投手のチームメイトにも取材。練習を終えた皆さんに、上原選手の印象や、チームでどんな存在なのかをうかがった。
 
 
David Ortiz (デビッド・オルティーズ)選手 
 
20140903cl_22ex03.jpg
Q チームに最初に来た時の印象は?
A 日本人選手は、最初は特にシャイで、通訳がいることもあって直接ざっくばらんに話すまでに時間がかかるイメージがあるんだけれど、KOJIもそういう選手だと思ってたら全然違った。自分からもコミュニケーション取ってくるし、すごい楽しいやつだよ。結構英語も喋れるしね。
 
Q クローザーをやっているけど、チームのキャラクターとしてはどういう役割?
A KOJIは自分のことをまず、ちゃんとやる。彼の役割というのはスコアボードに最終的に Wという文字が並ぶ役割を担っているし、それがみんな簡単だと思っているけど、実は彼の役割っていうのは、みんなが思っている以上に大変な仕事で、その役割をものすごくうまくこなしているね。彼はチームにとってとても沢山の物をもたらしてくれているよ。レッドソックスは2012年、クローザーというポジションが安定せず、すごくしんどかったんだ。去年彼が来てくれて、偉業を成し遂げたことはすごいことだよ。
 
 
David Ross(デビッド・ロス)選手
 
20140903cl_22ex04.jpg
Q 上原選手ってどんな選手ですか?
A 「プロフェッショナル」というのは彼のような人のことを言うんじゃないかな。長く野球をやっていることも含め、過去においても数多くの成功を収めているのに実は評価がされていない選手の一人だと思う。クローザーになって、さらに輝きが増したよ。
  一生懸命やるし、仕事もきちんとするが、チームの中では一番に近いくらいおもしろい人間でもあるね。
 
Q ワールドシリーズで優勝した時、その瞬間を一緒に味わったキャッチャーでしたね。
A 「夢が叶った!」の一言だよ。キャッチャーとして、ワールドシリーズで最後に球を受けて、ピッチャーの元に走っていき、ピッチャーが自分の胸に飛び込んできてくれるのは最高だよ。でもKOJIを抱きかかえた瞬間は、5パウンド(およそ25kg)しかないんじゃないかと思うくらい軽かったけどね(笑)。あの瞬間は、一年間一生懸命やってきた、全ての苦労が報われた瞬間だった。勝つとわかっているその瞬間、みんな、KOJIがやる! ってわかっていたし、最後は必ず三振で締めたかったんだ。そして、一番最初に自分がKOJIと抱き合って、そこにみんなが集まる絵を作りたかったんだ。
 
Q ピッチャーとしてはどう評価しますか?
A とにかくコントロールがいい。投球術が完璧。ピッチャーって、速い球を投げたがる人が多いけどほとんどが、どうやってピッチングしていいかわかっていない。彼はまっすぐとスプリットのコントロールが抜群にいい。そのうえ、眩惑の投球ができる。ぼくが受けた選手の中では、KOJIと野茂投手だけがスプリットを左右のコーナーに投げ分けることができる。メジャーで数少ない選手だよ。
 
Q チームでの「上原浩治」とは?
A ブルペンではリーダーだね。言葉の壁がある中で、自分が例を見せることで、ブルペンをすごくひっぱっていると思う。どんな時でもちゃんとやるし、フィールドでも、遠征に行こうがちゃんとした格好をして過ごすし、トータル的に「プロフェッショナル」という言葉が当てはまるよ。
 
 
Mike Napoli(マイク・ナポリ)選手
 
20140903cl_22ex05.jpg
Q テキサス時代からのチームメイトで上原さんの球を受けていたナポリさんですが、上原さんはどんなピッチャーでしたか?
A いいピッチャーだというのはわかっていたし、テキサス時代も非常にいい成績を残していたよ。KOJIの球を受けるのも楽しかったよ。低めにボールを集めるし、スプリットはメジャーリーグ最高級。89~90マイルのスピードなのにそれ以上のスピードを持っているように見える球を投げる才能があって、バッターはとても見にくいんだ。
 
Q 実際にチームメイトになって印象は変わりましたか?
A とても変わったよ。予想もしてないところから急に変な英語が飛び出してきたり、ぼくたちが喋っていたら、そこに英語で入ってきたりとか。いつも楽しい時間を過ごしているよ。

Q テキサス時代からチームメイトとして活躍している中で、去年のような素晴らしい成績を一緒に成し遂げたのっていうのは、どうでしたか?
A KOJIがすごいところは、毎回毎回大変な場面で出てきて、だいたい11球くらいでイニングを終えてしまうところ。ランナーも出てこないし、KOJIが出ることで、9回というのがセーブシチュエーションなのに、とても簡単に見えてしまう。みんなも見たことあるかな?どうやって始まったかは全くわからないけど、勝つと毎回、KOJIとフィールドで両手でハイファイブするようになったんだ。ワールドシリーズの時の牽制アウトでももちろんハイファイブしたさ。こういうの絆というんだと思う。
 
Q  レッドソックスはとてもキャラクターの濃い選手が多いチームだと思いますが、上原さんのチームでのキャラは?
A  脱帽するのは、ものすごく一生懸命努力するところ。きちんと仕事を成し遂げるし、とにかく勝つのが大好き。セーブシチュエーションで、彼が出てきた時の情熱とか、勝とうとする意欲とか、信じられないくらい熱い感情を持ってマウンドに上がってくるからね。元気を持ってダグアウトに来てくれるから、ぼくたちをやる気にさせてくれるよ。デトロイト戦のビクトリーノへのハイファイブは最高だったよね。
 
 
 
 

最新トピックス記事

カテゴリ

バックナンバー

コラムニスト一覧

最新記事

話題の記事