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コロナ禍や低迷する日本経済、戦争や環境問題など、混迷する現代社会において、各分野で挑戦を続け、わが道を歩んでいる方々の言葉を通して、一歩を踏み出したい読者の背中を後押しする企画。第11回は、企業出版を通じて、成長フェーズにいる中小企業のさらなる躍進をサポートしている株式会社フォーウェイの仲山洋平代表取締役にインタビューし、企業出版の魅力や仕事にかける思いについてうかがった。
 
――企業出版サービスを展開している、株式会社フォーウェイの仲山社長。まずは、独立までの歩みをお聞かせください。
 
中小企業の経営者の方々と間近で仕事をさせていただき、皆さんの仕事のスタンスやダイナミックな経営判断を見る中で、「かっこいいな」「自分もいつか起業できたら良いな」と自然と考えるようになったんです。私はもともと、幻冬舎のグループ会社で、企業出版専門の編集者として働いていました。企業出版とは、経営者の方がビジネス上の目的を達成する手段として、出版を活用することです。マーケティングやブランディング、PRの手段として出版を活用することは、非常に価値のある方法だと思っています。幻冬舎グループに勤めている頃から、出版だからこそ得られる反響や成果を数多く見てきました。ただ、時代の変化に応じてクライアントのニーズも変わっていく中で、旧態依然とした出版業界がそれに応えられていない状況に、疑問を抱いていたんです。その頃から「こうすればもっとお客様のためになるんじゃないか」というアイデアは浮かんでいましたので、退職を機に、そのアイデアを実現しようと独立に至りました。
 
――具体的には、どのようなアイデアを形にされてきたのでしょうか?
 
予算を適切に割り振ることです。出版部数を必要以上に増やすのではなく、適切な部数に抑えたうえで、マーケティングにも十分な予算を充てています。大切なのは本をたくさんつくることではなく、本当に届けたい読者へ確実に届けること。限られた予算を最も効果的に配分することで、高い費用対効果を実現できると考えています。また、私は“全部ちゃんとやる”ことを大切にしているんです。まずはクライアントの目的に合った企画をつくり、本を流通させる時に、どの書店に置いてもらうのかしっかりと見定める。一緒に弊社を立ち上げた取締役は、これまでにおよそ1000件の書籍のマーケティングを行ってきた人物です。流通に関して、膨大なデータと経験則を持っていますから、「このジャンルであれば、この書店に置くとクライアントの成果につながる」といった相談をしているんです。そして、弊社の営業部隊が書店を一店舗ごとに回り、書籍を置いてもらっています。「良い本がつくれたね」で満足するのではなく、その後のプロセスも含めてやり遂げることが大切なんです。
 
――業界に合わせたマーケティングなどは、独立後に学ばれたのでしょうか?
 
そうですね。専門のスクールに通ったり、マーケティング関連の書籍をたくさん読み返したりして、あらためて勉強しました。それに、私自身が起業したことで、自社を経営するための実践的なマーケティングを行わなければいけなくなったことが、大きな糧となりましたね。経営者の視点やマーケティングの在り方を身をもって体験できたのは、独立したからこそだと思います。前職では、常に50冊ほどの案件を並行して抱えており、またチームリーダーとして部下の管理も行っていました。正直なところ、細かい部分まで目が行き届かないこともあったんです。独立後は、前職ほど多くの案件を抱えずに運営していますので、一つひとつの仕事にじっくりと向き合えるようになりました。「本来、ここまで丁寧にやるべきだ」と感じる細部へのこだわりも全て実践できているため、プレイヤーとしての能力も一段と高まってきていると感じています。
 
――出版によるマーケティングは、どのような企業に効果的だとお考えですか?
 
成長フェーズにある企業様が、最も成果を得やすいと考えています。自身の専門領域で実績を上げてきた企業様が、一段階上のステージに上がろうと考えた際、広告として候補に挙がるのはタクシー広告やYouTube、Web広告などでしょう。その時に、ぜひ出版も検討していただきたい。ほかの広告に比べて出版の効果的なところは、“刺す深さ”だと思っています。例えば以前弊社で、ある不動産会社の企業出版を手がけ、医師に向けた不動産投資の書籍を出したことがあります。その本を読んだ方々から、およそ年に10件の問い合わせがあり、その全てが成約に至ったんです。純粋な営業では、信頼を得るまでに時間がかかりますよね。しかし本があれば、読者がサービスを深く理解し、あらかじめ強固な信頼を寄せてくれている状態から商談が始まるんです。Web広告のようにたまたま目に入るものではなく、本を選んで買ってくださるわけですから、もともとの興味の度合いが違います。広く多くの方にアプローチする広告とは異なり、深い信頼を築くための手段です。成約につながりやすいというのが、企業出版の大きな魅力でしょう。
 
――最後に、読者の方々へ向けて挑戦を後押しするメッセージをお願いします。
 
前職で、オンライン塾を経営している方の書籍を担当したことがあります。その方は、私が在籍している間に3冊の本を出してくださり、私が全て担当しました。独立後も交流は続いており、その方からメールでいただいた言葉を、今も大切に心に留めています。「目の前の仕事を一つひとつ丁寧にやれば、必ず成功する」。当たり前の、とてもシンプルな言葉ですが、何より大切なことですよね。今では私の座右の銘となっていて、経営の節目節目でそのメールを見返し、自分自身を奮い立たせています。その方から受け取った言葉を、この記事を通じて誰かにつないでいけたら嬉しいです。挑戦を続けていると、失敗することもあるでしょう。後から「あの時もっとちゃんとやっておけば良かった」と後悔したくはありません。失敗したとしても、「やれる限りのことを全てやり切って、それでもダメだったのだから自分の力不足だ」と潔く受け入れられる状態でありたいですね。そういった思いで、日々の仕事に向き合っています。
 
仲山洋平
清水建設(株)を経て、幻冬舎グループに入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、(株)フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には出版社パノラボを設立した。

株式会社フォーウェイ
https://forway.co.jp
株式会社パノラボ
https://forway.co.jp/panolabo/lp
 
 

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