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vol.7 大事な部下の七五三

 
 
 
【相談ケース14】 仲良し上司部下ってどうなの?
 
小山社長、いつもこのコラムを読んで勉強させていただいています。先日のご著書プレゼントにも応募させていただきました。私の悩みは、部下との関係の取り方です。今のところ、とても仲が良い、友人のような関係は築けているのですが、今ひとつ彼らが伸びて行っていないように感じます。私に上司として足りないところがあるのかどうか、自分ではわからないのです。社員とコミュニケーションをしっかり取られている小山社長は、人間関係を円滑に保ちつつ、どのように的確な指導をなさっているのか、教えてください。(34歳 会社員・女性)
 

「事なかれ」では指導できない

 
 まずはっきりと言えるのは、あなたの人間関係の作り方で一つ間違っているところがあります。それは 「友人のような関係」 というところですね。上司と部下はあくまでも上下ですから、友人ではありません。友人関係における仲の良さは心情の 「情」、つまり心の交流のことですが、上下関係においては、「情」 だけではなく 「事」 のやりとりのほうが重要なのです。
 たとえば部下が大きな勘違いをしていたとしましょう。友人であれば、関係にヒビを入れたくないために、その勘違いには触れないかもしれません。ところが上下関係となるとそうはいきません。「こうしないとあなたの仕事に支障が出る。もちろん上司の私にも会社にも不都合が出る。だから直しなさい」 とミッションを明確にして言わなくては、不利益が出てしまいます。「厳しいことを言って落ち込んでいる姿を見るとかわいそう」 という甘っちょろい上司も中にはいるでしょうが、本人が気付けないまま問題を放置していることほど残酷なことはないでしょう?
 ちなみに部下が間違っている場合の是正の方法で、有効なものが一つあります。それは、うまくいっていることを真似する意識を持たせること(ケーススタディ)。次に、それを体にしみこませるよう体験させること(ロールプレイング)。赤ちゃんが親の行動を真似ながら生活行動を覚えるのと同じだと考えればわかりやすいでしょう。漠然としたトモダチ上司ではなく、「事」 を示せる上司でありたいものです。
 
ではここで、ケース14への 「小山昇の結論」。
 
 部下を指導する際には、友達関係を排除してください。明確な目的をもって「事」に着目して指導しましょう。もっとも十人が十人とも同じように変化はしません。個人差はあります。なので、部下に合わせて指導するのが正解。オセロゲームのように一気にひっくり返ることはないので、一枚一枚、丁寧に黒を白に変えていく。そのための「上司の情」を持ってくださいね。
 
 
 社員にせよ、赤ちゃんにせよ、育っていけば七五三を迎えますね。不満や失敗は、彼らが七五三を迎えたようなものだとイメージするとわかりやすいし、歓迎する気持ちにもなるでしょう。失敗は成功の糧に、不満は成長の証にしていくことが大事なのです。もっとも、社員が立派に成長して社長に厳しくなりすぎると、ちょっと後悔してしまうかも。私のように(笑)。ではまた来月、お会いしましょう!
 
 
 
 
 明るい我らに仕事あり ~お悩みビジネスパーソンの駆け込み寺~
vol.7 大事な部下の七五三

 執筆者プロフィール  

小山昇 Noboru Koyama

株式会社武蔵野 代表取締役社長

 経 歴  

1948年、山梨県生まれ。東京経済大学卒業。1964年に日本サービスマーチャンダイザー(株)を設立し、ダスキンの都内加盟店第一号となる。1987年、(株)武蔵野に社名を変更。以来、元暴走族の社員を抱え「おちこぼれ会社」と揶揄されていた同社を優良企業に育て上げ、2000年には(財)日本生産性本部より「日本経営品質賞」を受賞した。他にもダスキン顧問(1990~1992年)、また全国の経営者でつくる「経営研究会」も主催し、ビジネスの世界におけるメッセンジャー的な役割を担う。現在は社長業と並行して日本経営品質賞受賞の軌跡や中小企業のIT戦略、経営計画書づくり、実践経営塾などをテーマに年間240回以上のセミナーで全国を回り、テレビを含め各メディアからも注目を集めている。

 オフィシャルホームページ 

http://koyamanoboru.jp