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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 
 
40歳に向けてどのような役づくりを行っていくのかお聞きすると、「“好き”を大切にしていく」と答えてくれた小関さん。思い描く40歳の姿について、詳しくお聞きした。
 

豊かな生活に向けて

 
僕はもともと、苦手なものにチャレンジすることを意識していました。苦手分野を克服できた瞬間が好きなんですよ。でも、40歳に向けては、自分の“好き”を大切にしてみようと思っています。40歳以降になると、俳優として演技などの技術だけでなく、個々の生き方が大切になるのかなと想像しているんです。
 
さまざまな方と関わらせていただく中で、強いこだわりを持っていたり、何かに特化していたりする方を見ると「素敵だな」と思うんです。きっと、苦手なことも得意なこともたくさん経験してきて、その中で自分の好きなことを大切にして進んでこられたのだと想像しています。
 
僕も、今後は自分の好きなことを突き詰めてみようと思っています。40歳に向けてのテーマは、“豊か”を見つけることです。豊かな生活に対するイメージは、人それぞれ違うでしょう。僕の場合は、自分の“好き”を大切にすることが“豊か”につながっていくのかなと思っています。10年かけて、自分の中の“豊か”を見つけていきたいですね。
 
 
小関さんのお話からは、ご自身の生き方について真摯に向き合っている様子が伝わってくる。毎週土曜夜、22時から総合テレビにて放送されているドラマ、『ひとりでしにたい』に出演する中でも、生きることに対する価値観を大切にしているという。
 

価値観の飛び交うおもしろさ

 
ドラマ『ひとりでしにたい』で僕が演じるのは、綾瀬はるかさんの演じる山口鳴海の弟、山口聡です。一言で言うと、すごく普通の男性です。聡以外の登場人物は本当に個性豊かなメンバーで、作品の中ではそれぞれの持つ価値観が飛び交います。その中で、唯一普通の男性であるのが聡です。でも、実はふたを開けてみると、聡にも抱えているものがあるんですよ。
 
ドラマではあまり表現されていませんが、原作である漫画を読むと、聡が普通の男性になったバックボーンも描かれています。ドラマの中でも、聡に対して違和感を持つ瞬間があると思いますよ。聡のイメージとは離れた言葉を使うこともあるんです。そこに違和感を持って注目してもらえたら、どんどん気になる存在になっていくと思います。
 
鳴海の父役を國村隼さんが、母役を松坂慶子さんが演じていて、僕はお二人とのシーンが多いんです。そのときは、テンポ良くそれぞれの価値観が飛び交い、ぶつかり合います。そういった会話は演じていてとても楽しいですし、観ていてもおもしろく思ってもらえるでしょう。
 
『ひとりでしにたい』は人物造形が丁寧に描かれていると感じています。登場人物それぞれが抱えている思いが表現されていく中で、観てくださるみなさんも、きっと「これはわかるな」「刺さる考え方だな」と共感できることもあるでしょう。さまざまな生き方、価値観が詰まっていて、自分と重ねやすい作品だと思っています。