B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 
 
心が感じるままに、演技のスタンスも変化させていっている永山さん。そんな永山さんが撮影現場で心がけていることなどについてもうかがった。
 

現場の空気を感じ取る

 
僕は意識しているのは、現場の空気感を変えることです。現場に入って、最初に演技をするときには、台本から捉えたものを表現する。そのときに、監督やスタッフの方々の空気がどのように変化するのか注視しているんですよ。そうして、監督たちがそのシーンで何を大切にしているのか感じ取るんです。
 
リハーサル、本番と進む中で、監督やスタッフさんから感じ取ったものを演技に反映させていきます。だから、ワンシーンの撮影でもとても疲れますよ。また、どれだけ試行錯誤してもお芝居に明確な正解はありません。監督のOKが出るかどうかです。
 
自分の中では、「これOKだったのか?」と消化不良になることもあります。もっと違うものが提供できたんじゃないかという後悔は常にありますね。でも、その後悔を抱えて進んでいくしかないんですよ。
 
何が正解だったのか、それを決めるのも観てくださっているお客さんなんじゃないかと思っています。だから、毎回後悔はあるけど、僕ら俳優にできることは与えられた役に集中することだけなんでしょうね。
 
そういった大変な仕事をずっと続けてこられているのは、現場でさまざまな方と出会えることがモチベーションになっているからです。やっぱり、この業界にいる方はみなさんとてもおもしろい方ばかりですからね。
 
これからも俳優として仕事を続けていく中で、今年はじっくりと向き合える作品も決まっているので、落ち着いたスタンスで取り組んでいこうかなと考えています。ただ、僕の考えは常に変化していきますから。もしかしたら、またすぐに変わっているかも(笑)。
 
 
(インタビュー・文 中野夢菜/写真 Nori/ヘアメイク 七絵/スタイリスト 壽村太一)
 
 
glay-s1top.jpg
永山瑛太 (ながやま えいた)
1982年生まれ 東京都出身
 
1997年にモデルとしてデビュー。2001年にはドラマ『さよなら、小津先生』で俳優デビューを果たした。2005年には映画『サマータイムマシン・ブルース』で初主演を務め、その後も数々の話題作に出演。現在はフォトグラファーや映画監督の活動も始め、今年1月に写真集『永山瑛太、写真』を発売している。
 
Twitter
https://twitter.com/mituoda
Instagram
@nagayama.eita
 
 
(取材:2021年12月)