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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

農業を通して社会参画
明治から続く農園の挑戦

 

老舗の農園がスタートさせた新しい取り組み

 
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濱中 赤津代表は、もともと農業に携わってこられたのですか?
 
赤津 はい。和歌山市で100年以上続く「あさひ農園」を祖父から引き継ぎました。その後、設備投資や農地拡大を重ね、現在は約20haの土地でお米や野菜を栽培し、大手のスーパーを中心に出荷しています。
 
濱中 長く続く農園を守りながら、さらに規模も広げてこられたんですね。その中で、結作業所を立ち上げたきっかけは何だったのでしょうか。
 
赤津 あさひ農園は基本的に家族で営んでいるため、繁忙期には人手不足になることがありまして。そこで、期間限定で障がいのある方にお手伝いいただいたところ、想像以上に丁寧で、時にはアルバイト以上の作業量をこなしてくださる方もいて驚きました。
 
濱中 実際に一緒に働いたことで、その可能性に気付かれたわけですね。
 
赤津 はい。汗を流して働いた後、笑顔になる皆さんを見て、「この人たちが社会に参画できる作業所をつくりたい」と思うようになりました。ちょうどその頃、農福連携という取り組みを知ったことも後押しになりました。
 
濱中 農福連携は、障がい者の方が農業を通じて、生きがいを持って社会で活躍できるよう促す取り組みのことですよね。私も、総監督を務めている野球チーム・和歌山ウェイブスの活動を通して、就労支援事業所を訪れたことがあります。障がい者の方たちが、古い硬式ボールの革をはがして練習用のものに縫い直す作業をされていて、「なんて丁寧に仕事をされているのだろう!」と感動したんですよ。いきいきした表情で一生懸命、仕事をこなされていました。
 
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赤津 濱中さんも、作業所を通して障がい者の方々と触れ合っておられるんですね。私自身は当初、障がいのある方について知識があまりなく、どう接したら良いか迷いました。でも実際に交流しながら日々を送るうちに、いろんなことがわかり、一緒に楽しい時間を過ごせるようになったんです。
 
濱中 とても共感します。障がい者の方に先入観を持ってしまいがちですが、実際に会って言葉を交わさないとわからないことがたくさんありますよね。
 
赤津 先入観はないけれど興味もない、という人も多いんです。そういう方々にも関心を持ってもらい、理解を深めてもらうためにも、当作業所のような場所がきっかけになればと考えています。