インタビュアー 村田諒太(元ボクシングミドル級世界王者)
圡川 立ち上げの背景には、若年層の自死に対する思いがありました。自死のニュースを目にするたび、「自分にできることはないか」と思ったのがキッカケです。せっかく生きている命を自ら閉じてしまう子どもたちがどうしたら楽しんで生きていけるか、と。学校には学校の役割があって先生たちはどうしても制限がある。ご家庭で保護者は働きながら子育てをしていてこちらも限界があります。誰もが悪くない中で、悲しむ子がいるならどうするか? そう思った時に別の居場所をつくって、その役目を担えたらと思いました。
村田 もともと教育の道を志しておられたのですか?
圡川 そういうわけではなかったのですが、昔から人の役に立てるのが嬉しかったんです。幼少期から母親に「人には優しさと思いやりが大切」と教えてもらい、それをベースに生きていたら、学生時代には寮長を務めたり、人から相談を受けたり、世話を焼くことが好きになっていったんですよね。そして、前職でフリースクールに関わり、いろんな背景を持つ子どもと向き合う中で、「未来はもっといろんな道があることを伝えたい」と感じ、もっと一人ひとりに時間をかけられる場所をつくりたくて独立しました。
村田 追い詰められた心境にある子の居場所として、フリースクールを立ち上げられたんですね。
圡川 はい。私が目指しているのは、子どもたちの自立です。自分一人で立つのではなく、人と関わりながら、「どう生きていきたいのか」を見つけること。その中でアイデンティティを確立させていくことが、本当の自立ではないかと思っています。

圡川 隣となりは、家でも学校でもない第三の居場所です。ここに来れば人から否定されずに話ができ、良い悪いで評価されるのではなく、子どもたちの現状やプロセスを受け止めたうえで、押し付けるのではなく、どうしていったら良いかを一緒に考える。寮型と通学型の両方に対応しているので、その子の状態やご家族の希望に応じて、在籍しやすい形を選べるようにしました。
