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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

地域の一員として暮らす
障がい者グループホーム

 

オープンな活動で、地域とのつながりを育む

 
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水野 それいゆさんではどのようなコンセプトで施設を運営しておられるんですか?
 
松村 私が大切にしているのは、障がいのある人も、ない人も、同じ地域で当たり前に暮らし、自然に支え合っていける社会です。そうした思いをかたちにするためには、それいゆの存在を地域の方々にしっかり知ってもらい、日々の暮らしのなかでつながっていくことがとても大切だと思っています。
 
水野 なるほど。障がい者向けのグループホームは、一般的にはまだ認知度がそれほど高くない印象がありますし、地域の方々への周知は大事だと思います。
 
村松 たしかに、施設を始める前の物件探しでは、グループホームとして使いたいと伝えただけで、大家さんに断られてしまうことが何度もあって・・・。なかなか物件が見つからず、本当に苦労しました。
 
水野 実際に利用者さんがどのような生活を送っているのか、一般に知られていないからこそ、不安や誤解が生まれてしまうのかもしれませんね。
 
松村 ええ。そこで現在は自治会に入会し、地域のごみ拾いや防災訓練などにも利用者様と一緒に参加しているんです。最初はいぶかしげに見られることもありました。でも、活動を重ねるうちに、少しずつ、地域の皆さんのまなざしも温かくなってきたように感じています。
 
水野 きっと、松村代表ご自身が利用者さんと自然に接している様子や、利用者さんが堂々と地域の行事に参加している姿を見て、地域の方々も「普通に接して大丈夫なんだ」と感じるようになったのだと思いますよ。
 
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松村 そうであったら嬉しいですね。わからないから怖がられるし、だからこそ壁ができてしまうんだと思うんです。でも、生活を隠すのではなくオープンにして、リアルな姿を見せることで、少しずつでも周囲の方々の理解につながると信じています。
 
水野 お聞きしたところでは、さいたま市長選挙の際にも、利用者さんたちと投票所に向かわれたそうですね。
 
松村 そうなんです。利用者様から「選挙に行ってみたい」との声が上がり、一緒に投票所へ行きました。通常は投票の際に付き添いはできないものの、事情を説明して許可を得まして。それで私が一緒についていき、自分自身で決めた候補者に投票するところまでフォローしました。私たちも一緒に地域社会をつくる存在でありたいですし、このような取り組みも続けていきたいですね。
 
水野 素晴らしいですね! これまでさまざまな福祉施設でお話をうかがってきた中で、地域社会との交流にこれほど重きを置いている施設は初めてお聞きしましたよ。