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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

書の基本に徹したうえで
新たな可能性を探る教室

 

日本文化である“書”の魅力を世界へ

 
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谷口 これまで30年間、寿・谷口書道会を開いてこられたのも、周りの方々のおかげです。当教室は大人の生徒さんが多いため、夜遅くまで指導することもしばしば。それでも寛容に私を支えてくれる家族や、いつも楽しく学んでくれる生徒さんへ、感謝の念は尽きません。
 
今岡 今後はどのように書に向き合っていきたいとお考えですか?
 
谷口 生徒さんたちに字の可能性を感じてもらえるように発信し続けていきたいです。SNS投稿がきっかけで海外からもオファーをいただくようになったので、いろいろな国の展示会などで書の魅力を多くの人に伝えていますよ。個人的には、アート性にこだわった読みづらい文字よりも“読める漢字”を日本文化として世界に広めていきたいですね。
 
今岡 日本の字のおもしろさを世界中の人々がシェア・・・想像しただけでわくわくします!
 
谷口 もちろん国内での活動も頑張っていきます。先日は萬福寺で奉納揮毫に参加させていただき、感無量でした。他方で、新たに挑戦していることがあります。筆跡診断です。
 
今岡 それは興味深いですね。どのような取り組みなのですか?
 
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谷口 字を見て、書いた人の性格や思いを汲み取るんです。当教室には心身に悩みを抱えている生徒さんも多く通ってくださっています。そのような生徒さんとも書道を通じてコミュニケーションを取りたくて・・・。書けば気持ちが落ち着く字を指導するなど、精神面のケアにつながるような診断ができればと思っています。
 
今岡 字を介して相手の心に寄り添う、と。書道にはそんな可能性もあるのですね。感動しました。
 
谷口 以前は生徒さんから「書道を習い続ける意味は?」と問われても、「きれいな字で手紙や履歴書が書けるよ」くらいしか答えられなかったんです。でも今は、「世の中の多くの人に見てもらえる」「自分が書いた文字の可能性は無限にある」「書は人と人をつなぐよ」と胸を張って伝えられるようになりました。これからも書道の魅力を発信しながら、生徒たちに寄り添える教室をつくっていきたいです。
 
今岡 谷口先生のように情熱を持って取り組む方がいるからこそ、日本の文化が守られると同時に新しい可能性も広がっていくのだと思います。国内外を問わず一人でも多くの人に書の素晴らしさを伝えていってください!
 
 
 
「仕事を楽しむ」とは‥
仕事をするうえでは、うまく力を抜けるようにしないとダメだと思っています。お稽古中は、生徒さんと書道以外のお話をすることもあるんです。仕事以外に支えがあると頑張れるんじゃないかと思っています。
(谷口峰仙)
 
 :: 事業所概要 :: 
  ■ 事業所名 寿・谷口書道会
■ 所在地 〒616-8152 京都府京都市右京区太泰堀ヶ内町12-66
■ 事業内容 書道教室の運営
■ 創業 1995年4月
■ ホームページ https://taniguticalligraph.wixsite.com/calligraphy-school
■ Instagram https://www.instagram.com/terurun.t/