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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

人々の安全と生活を守る
熱意あふれる消防設備士

 

数々の困難な現場で経験を積み、技術を学ぶ

 
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水野 私はこれまでさまざまな経営者の方にお話をお聞きしてきましたし、私の家族や親戚も建設関係の仕事をしているので、それなりに業界の知識はあるつもりでした。でも、消防設備工事を専門とする方にお話をうかがうのは初めてなので新鮮です。三輪代表はもともとこの業界でお仕事されていたんですか?
 
三輪 いえ、前職では印刷業界で電車やバスで使うICカードの製造をしていたんですよ。機密のため、窓もない工場の中で、日勤と夜勤を繰り返しながら働いていました。
 
水野 えっ、現在とはまったく異なるお仕事ですね!
 
三輪 そうなんです。ただ残念ながら、私にはそのような環境が馴染めませんでした。それで以前、勤務していた弱電工事関連の会社に声をかけたところ、その社長さんから消防設備会社の仕事を紹介されたんです。そこで、事業委託として仕事をすることになったので、個人事業主として独立しまして。その間、わずか10ヶ月ほどでした。この業界のセオリーとしては、大手の消防設備メーカーに10年から20年ほど勤務し、経験を積んでから独立するのが一般的なんです。そのため、職人さんも高齢の方が多い中、当時の私は20代半ばでした。
 
水野 お若いうえに業界歴も長くない中で独立されて、大変だったのではないですか?
 
三輪 知識も経験も浅かったので大変でした。最初に担当した現場は、今でも鮮明に覚えています。自分自身の作業が正しいのか不安があったので、毎日仕事の帰りに管轄の消防署に通って、消防士の方に図面や施工方法について細かく質問したり、相談したりしていたんです。
 
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水野 毎日とはすごいですね。そんなに熱心に消防署へ相談に行く消防設備士さんは多いんですか?
 
三輪 他にはいないでしょうね。本来、消防設備士は相応の知識を持っているはずなので、きっと消防士の方からは、「本当に大丈夫なのか?」と思われていたのではないでしょうか(笑)。ただ、その消防士の方には懇切丁寧に教えていただいたので、心から感謝しています。その後、スーパー銭湯の現場で改修工事を担当することになりまして。本来は複数人で行うはずが、なぜか私一人で施工することになったんです(笑)。しかも、前に担当した業者さんが行った配線や設備の配置などが、用意された図面通りではなかったので苦労しました。
 
水野 建設工事において、図面通りに工事が進むことはほとんどないですから、臨機応変な対応が求められますよね。それにしても、複数人で行う予定の現場をたった一人で施工することになるとは・・・とんでもないことですよ。トラウマになりそうです(笑)。
 
三輪 そうですね(笑)。それでも、試行錯誤したり工夫を凝らしたりして、すべての工程を完了させることができました。そのような現場経験を積み重ねてきたおかげで、技術力や設備の知識、ノウハウも飛躍的に向上し、自信を持てるようにもなったんです。その結果、今では同業者が困り果てた現場や諦めかけた案件が回ってくることも増えました。