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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

大人気さつまいも農家の
黄金色に輝く甘い干し芋

 

一から土づくりを教えてくれた農家に感謝

 
宮地 そもそもなぜ、干し芋をつくろうと思われたのでしょう。きっかけが気になります。
 
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照沼 茨城県東海村という干し芋製造が盛んな土地柄で育ったこともあり、小さい頃から干し芋屋になろうと決めていたんです。でも、何もわからない一からのスタートだったので、最初は近所の農家さんに教えてもらったり、機械を貸してもらったりという状態でしたね。
 
宮地 素敵です。みんな、ライバルというだけでなく、仲間なんですね。
 
照沼 はい。さつまいもづくりでは土が重要ですから、まずはしっかりとした土づくりから始めました。長くやっている農家さんなら勘が働くものの、私にはそんなものはないので、協力してくださる農家さんに土を分析してもらって「こうしたらいいよ」とアドバイスをもらって実践する、の繰り返しでしたね。皆さんに優しくしていただいたおかげで何とか独り立ちし、2016年に法人化できたんです。
 
宮地 ありがたいですね。干し芋の加工技術は難しいのでしょうか?
 
照沼 いいえ、干し芋の味はほぼ畑の状態で決まるんです。だから干し芋にする工程で大事なのは水分量の調整だけ。寒さによってどれだけでんぷん質が糖質に変わるかが勝負です。
 
宮地 そんなに大切な土づくりを農家の方たちは惜しげもなく教えてくれたとは、素晴らしいですね。
 
照沼 心から感謝の気持ちでいっぱいです。その後、ようやく完成した干し芋が品評会に出展できることになったというわけです。
 
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宮地 初めての出展でいきなり銅賞とはまさに快挙です。やはり受賞は売り上げにも影響しますよね。
 
照沼 もちろんです。そのおかげで弊社の干し芋がテレビ番組で紹介され、影響の大きさに衝撃を受けました。在庫が一気になくなり、それ以来生産が追い付かず、ネットでは常に在庫切れの状態が続いているんです。
 
宮地 テレビの影響があるとはいえ、やっぱりおいしいからそんなに売れるのだと思いますよ。一度食べたらまた食べたいと思いますから。
 
照沼 おっしゃる通り、とにかくリピーターの方が多いですね。その方たちが知人にも食べさせたいとギフトとして贈り、受け取った方がまたリピーターになってくださるんです。北海道から沖縄まで本当にたくさんの方にご購入いただいていますよ。