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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

手抜きなしのプロ魂
リアルな立体造形士

 

見るべし! よく見るべし!

 
長澤 神保社長は、どんな経緯で立体制作のお仕事を始められたんですか?
 
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神保 私は工業デザインの出身でして、学生の時はデザイン事務所でアルバイトをしていたんです。その後、デザインに役立つと思い、勉強のつもりで試作模型を制作している会社に就職したのがきっかけで、本格的に立体造形を始めました。もともと描くより、立体をつくるほうが得意だったので。その後転職した会社では平成のゴジラシリーズにも関わっていましたね。その会社を退職した後、しばらく個人で活動し、2005年に自分の会社を設立しました。
 
長澤 やっぱり、子供の頃から絵や工作がお好きでしたか?
 
神保 好きでしたね。小さい頃はプラモデルもよくつくりました(笑)。他のプラモデルの部品を持ってきて自分好みに改造してみたりね。誰に教えられたわけでなく、好きなようにつくり変えていました。
 
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長澤 きっと昔から手先も器用だったんでしょうね。私は不器用だったから、絵の授業でもうまく描けなかったな。
 
神保 そういえば、小学校のPTA会長をしていた頃に図画の特別授業の講師になったことがありまして。円谷プロさんから自分がつくった飛行機の模型を借りて持って行って、どうしたら絵がうまく描けるようになるか教えたことがありました。
 
長澤 楽しそうな授業ですね。でも、模型工作の例を持って行っても、絵は平面だから参考にならないんじゃないですか?
 
神保 実は共通なんです。上手な絵を描ける人は、「絵を描くのが上手」 というより、「物を見るのが上手」 なんです。頭の中で正確に像を見られれば、それと比べて修正を重ねて段々と上手な絵が描けるようになります。子供たちに絵を教える時には、「絵がうまくなりたかったら、対象をよく見なさい」 と言いますね。
 
長澤 「見る」 能力のほうが大事なんですね。目からウロコです。神保社長はデッサンもお得意だと思います。実際に描いて、教えていただいていいですか?
 
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フィギュアから飛行機をデッサン。所要たったの数秒!
神保 いいですよ。たとえば、このフィギュアの飛行機の絵を描くとしたら、右利きでしたら、ここからこうやってこう線を伸ばして、こうバランスを見て・・・。.
 
長澤 きゃ~! すごい上手! でも、早すぎてわからなかった(笑)。
 
神保 コツを一つ。電車の絵を描く時には、真横よりも斜めから見た角度の特徴をつかむことです。そうすると立体感が出てくるんですよ。子供はそう教えるとその通り素直に描くから、上達が早いです。ちなみに、やっぱり一番難しいのは 「人」 の絵ですね。