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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

人を中心に置いた設計で
温かみのある建物を造る

 
 

居住性を高める工夫をデザインの一部に

 
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本田  2階にはリビングがあるんですね。おお、明るい! それに広いですね~。すっきりしたデザインで、ぼく好みですよ。
 
小野寺(義) 窓を多く配置したため、自然光で充分な光が採れますし、冬でも暖房が要らないくらい暖かいんです。窓が多いぶん、直射日光がなるべく入らないように特殊なガラスを採用し、プライバシーが守れるようにも配慮しました。
 
本田 細やかな配慮が素晴らしいですね。窓の外にあるのは・・・すだれ?
 
小野寺(義) はい。日本古来のすだれで建物を囲むことで、視線、日差しを和らげました。従来のすだれはロールアップですが、これは横にスライドさせて開閉します。すだれが落とす影が時間帯によって変化し、とても風情がありますよ。
 
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自然光がたっぷりと入り、明るく開放的なリビング
本田 斬新だなあ! 和のテイストが洋風リビングにとてもマッチしてます。この建物がますます好きになってきましたよ。リビングの奥はキッチンですね。
 
小野寺(義) ええ。シンクを区切っているカウンターはテーブルとしても使用でき、可動式になっているので、必要ない時には壁の中に収納できるんですよ。
 
本田 あれ・・・キッチンなのに、食器棚がないですよ。
 
小野寺(義) 壁の中に収納されています。どんな皿や調理具があるかを把握しておいて、それが入る収納棚を作り付けにしたんです。
 
本田 本当だ。スペースを無駄にしない工夫が施されているんですね。
 
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小野寺代表のお母様・千代子さん
小野寺(千) 引越しの際に、旧宅で大事にしていたキャビネットは不要だと息子が言うんですよ。お皿がたくさんあるのにどうするのかしらと思っていたら、引っ越してきて納得しましたね。他にもこの家には工夫がいっぱいあって、遊び心に溢れたデザインながら、生活の場であることは忘れられていません。
 
本田 なるほど。サッカーでも、遊び心溢れるプレイヤーは見ていて楽しいものですが、彼らは基本もきちんと守っています。ベースがしっかりしているからこそ、技にバリエーションがあるんですよね。
 
小野寺(義) 本田さんのおっしゃるベースが 「居住性」 だとしたら、技は 「デザイン」。基本を押さえることで、デザインに幅を持たせることができるんです。このリビングの天井を見て下さい。
 
本田 あれ? 高さが違う!
 
小野寺(義) 低い天井は人に落着きを与え、住むのに適していますが、部屋全体がそうだと閉塞感を感じます。高低をつければ息苦しさを解消できると共に、同じ部屋でも場所によって雰囲気が異なるというユニークさが生まれるんですよ。