たぶん当たらない。
 
  
 この印、
 
  
 なんに見える?
 
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
 なんに見えますか?と、問いかけておいて、
 いきなり正解から文章を始めるってのも無粋だけど。
 まぁ、謎解きでなく、最初に犯人がわかって追い詰め感にハラハラする
 『刑事コロンボ』みたいなもんかな、
 最大級に良く言えばw。
  
  
 僕の靴の横の印「こっち行くとトイレですよ」「進行方向こっちですよ」の矢印ではないんだよな。
 これね、キウイの足跡。え? 当たった?
 え? フルーツ? なわけないじゃん、キウイフルーツに足、ないし。
 そう。ニュージーランドの国鳥であるキウイね、
 翼がほとんどなくて色気のないまるっこい鳥。
 キウイフルーツは、そのカタチがキウイにそっくりだから同じ名前になったのは有名。
 そしてキウイ自身は、ニュージーランドの先住民マオリ族に「キーウィー」と鳴くからその名前をつけられたみたい。
  
 マオリ族の寓話だとね、
 昔、森の木々がいろんな虫たちに食べられて病んでいた、
 そこで森の王が、虫たちを食べて森を守ってくれ、と、
 いろんな鳥たちに頼んだんだって。
 でも、どの鳥も薄情なの、っつーか、なんでオレが? オレ、どーでもいいし、
 みたいに顔をそらしたわけ、
 脚組んでたばこを吹きかけながら(想像)。
 ただ、キウイだけが「いいですよ」と答えたんだって。
 背筋を伸ばして、『もののけ姫』のアシタカのような澄んだマナコで(想像)。
 で、王は、その美しい羽毛と翼を失い強靱な脚で地を駆けなければならないのだぞ、そう確認した。
 え? そ、そ、それは、なんで、すかね?
 無茶ですよ、翼あってもいいじゃん、むしろだから鳥に声かけたんでしょ?
 と、僕は僭越にも思うけど、
 でもキウイは了解したらしい。
 だから、キウイはいまも翼はほとんどなく、走ることしかできない勇者。
 鳥なのに、根性のあるなかなかの男前だ。いい話だ。
 ほんとかどうかは別として、いい話だ。
  
  
 インターネットの時代になって、FacebookやTwitterなどさまざまなSNSが流行って、
みんなが情報を発信したりシェアしたりする、
 それはすばらしいことなんだけど、
 反面、あまりにも無責任な情報、そしてそれらを
 ご意見番気分でみんながセンセーショナルにシェアして、
 さらにシェアすることそのものを仕事にする人たちも出現して、
 なんつーか、ほんとになにを信じていいやら僕らは混乱してしまう。
  
 特に膨大なネガティブな情報が眼について、僕個人として
 これまでの経験則では処理できない。
 キャパオーバーだ。
 いまさらマオリ族の時代に戻れるわけでもないし、
 ひとりひとりが情報の見極めと品性みたいのが問われる時代なんだろうね。
 石鹸屋の「LUSH」のサメ漁根絶キャンペーンもいろいろ話題になった。
そもそも出発点から問題があったけど、
 批判の感情への向き合い方があまりにも計算尽くな感じでね、僕はとてもやだった。
 涙する批判も「話題」と変換する無慈悲がね。
  
 でも、こんな僕の言葉も、誰かのこころをミスリードするだろうし、
 まったくの反対意見もあるだろうし、
 「話題」に貢献するだろうし。
 う~~~~~む、難しい時代だよね、ほんと。
  
  
 さっきのね、脚と足の写真ね、実は、天地を逆にしてるの。
 もともと僕の立っている位置から床を見るとさ、
 僕は矢印に沿って立っているような感じ。
でも反対から見ると、それはキウイの歩いている道筋に見えるわけ。
 固定観念に縛られず、定型にガチガチにならず、
 ぐるりとまわりを見回して、視点を柔軟にしておいたほうがいいよね。
  
 そう言えば、ニュージーランドの人には
 「私はキウイだもん」
 という言葉があるらしい。
 ユニークな鳥であるキウイに例えて、自分は個性的な人間さ、だって。