B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

トピックスTOPICS

コラム 世界珍写行の発想術 vol.20(最終回) 世界珍紀行の発想術 クリエイティブディレクター

コラム
 
20150819cl_38ex01.jpg
 
アイデアの発想が
苦手ではありませんか?
 
 
 
よく聞かれるんですよね。
「永澤さん、発想はどこからわいてくるんですか?」「アイデア考えるの苦手なんです」。
でもね、突然、アイデアが降ってくる、そんなことはありません。僕は、こう答えることにしています。
アイデアは、誰だってすぐできるよ、思いつく必要なんてないんです、簡単な足し算みたいに
誰でも10分あれば何個かのアイデアはつくれるんだよ、と。
 
特に、ビジネスの場合はなおさら。ピカソのようなアートでなく、課題を解決するためのアイデアは、
方程式でパパッと生まれる、ただし、どれがいちばんの正解かは、選択する感性が必要だとは思うけどね。
 
 
ずっと広告の仕事をしてきて、そして世の中を見回し、僕が痛感するのは、
実はそんなアイデア以前の問題もたくさんある、ってこと。
だって、たとえば「商品を売りたい」とかは、売るための着眼点だけでなく、
世の中の360度にさらされているわけです。
伝えるコンセプトはどうか? 伝えていく内容の順番はどうか?
読みやすい文字の大きさか?
どんな場所で伝えるのが有効か? メインのターゲットは誰か? メディアの連携はどうか?
伝える内容の適正量はどうか?(さほど重要でない内容を欲ばると超マイナスしかないよ)
読みやすくレイアウトされているか? 連絡先は明記されているか?
そもそも売れる情報を織り込まれて商品開発されてるか? などなど。
そんないちいちがちゃんとしてないと、何にもならなくなるわけです。
バカみたいな話だけど
ものすごく磨き上げた内容も、文字が小さいってだけで誰にも読まれなかったりする、
それでは投資効果は0点になってしまうでしょ。
小さい組織、地方の企業には、もうそれだけで致命傷になってしまう。
 
 
ビジネス系の本て、ブランドやコミュニケーション、マーケティング、
販売促進、商品開発などいろんな本が出ているけど、
どれかひとつでリアルなあなたの商品がブレークスルーするわけもない。
全方位的で実用的なアドバイスがわかりやすく書いてる本がほとんどない、
と、僕は思うのだ。
 
だからといって、それらをプロに頼んでいたら、お金がいくらあっても足らない。
以前、ある地方の企業が、大手広告代理店に広告を頼んだら他県の大都市で何千万円(やっと捻出した)も費用をかけて広告して効果は皆無と恨んでいた
そりゃ、そうだろう、と。常識で考えればわかるじゃん、と。
それは広告代理店の問題もあるけど、頼んだ企業サイドの不勉強もあるとは思う。
そして、重要なことを外部に頼んでいると、
企業サイドにノウハウもストックしない
日本の企業の90%以上は、中小企業なんだから、基本は、自分のことは自分で考えて、
自分でコントロールして、自分でアプローチするのがいちばんいい。
 
 
で、誰でもそれらが足し算みたいに簡単にできるような本『もったいないワタシの売り方』を書いた。
地方の組織、小さい企業
がんばろうとしている個人にエールを送る気持ちで、本を書いた。
その本をきっかけにして、このコラムがスタートした。
 
 
現在、僕は、忌野清志郎さんが歌っているCMなど
セブン-イレブンの「近くて便利」ブランドコミュニケーションを手がけている。もう6年目に突入している。
セブン-イレブンはトヨタを抜いて日本のブランド価値No.1になった。
いっぽう、そうした広告の仕事を控えていきながら、
自分ならではの表現の場、脚本を書いて自分で演出する芝居や本の執筆を
がんばりたいと思っている。
 
今回が、このコラムの最終回だ。
僕も含め、誰もが、日々は新しい課題の連続だ。
課題の連続が、日々、とも言える(笑)。
一緒に、走りつづけよう
 
 
 
おつきあいいただき、ありがとうございました。
 
 
 
 
【ラストキーワード】
課題は
新しい方が
ワクワクするじゃん。
 
 
 
 

 執筆者プロフィール 

永澤仁 Hitoshi Nagasawa
クリエイティブディレクター/run!run!! planning!!! 海の家 店主

 
20140319cl_38ex02.png もったいないワタシの売り方

永澤仁 (単行本(ソフトカバー) - Dec 21, 2013)
¥ 1,575
小さな会社や組織や個人を強くする!仕掛け絵本みたいなたのしく役立つ「発想法」「ブランド創造」「セールストークの書き方」を公開! 
本の購入はAmazon.co.jp
 

 経 歴 

セブン-イレブン(忌野清志郎さんが歌うブランドの根幹を担う「近くて便利」コミュニーケーション)、バイク王(雨上がり決死隊バージョン)、キリン氷結(発売から6年間)、シチズン(広告&商品開発)など数々のクリエイティブを責任者として手がけ、そのすべてをジャンプアップさせた実績を持つ。競合プレゼンでは独創的なスタイルで3年半無敗を記録。受賞歴は国内外100以上。強い、正しい、面白い! 国も地域も企業も商品もお店も人も、めざすゆたかな高みへ。

オフィシャルホームページ  http://umino-ie.jp
フェイスブック (個人) https://www.facebook.com/hitoshi.nagasawa.35
フェイスブック (海の家) https://www.facebook.com/uminoie777

 
 
(2015.8.26)
 
 
 

関連記事

最新トピックス記事

カテゴリ

バックナンバー

コラムニスト一覧

最新記事

話題の記事