タグ別TAG
タグ:社会
-
合成燃料と水素商用化の未来 ~EUの方針転換を機に考える~ 今月19日から21日にかけ、広島で先進7ヶ国首脳会議(G7広島サミット)が開かれる。それに先立って先月中旬、札幌でG7気候・エネルギー・環境大臣会合が行われた。
-
ブランドジャーナリズムとパブリック・リレーションズ ~それは広告? ジャーナリズム? 強いコンテンツをめぐる分水嶺~ 先月14日発売の『週刊東洋経済』で「氾濫するPR」という特集が組まれた。PRとはパブリック・リレーションズ。直訳すれば「公共の・関係」だが、作家の邱永漢氏が現代中国人論の古典『中国人と日本人』で言った通り、日本語はどんな外国語もカタカナ書きにして自国語にしてしまうので、Public Relationsも本来の含意を保ったままパブリック・リレーションズと訳されているかどうかはわからない。ましてや「PR」と表記されれば「ピーアール」となってほとんど「売り込み」と同義だ。ともあれ日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ)は、Public Relationsについて次のように解説する。
-
ペットボトルの後始末 ~事業系ペットボトルに見るリサイクルの新段階~ 今年4月、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック資源循環法)」が施行された。それに呼応して、プラスチック製品の製造と再生処理に関する動きが活発化しているようだ。
消費者市民にとって一番わかりやすいのはペットボトルをめぐるそれだろう。9月はまだまだ残暑で暑い。また、近年は、熱中症にならないよう外出中も積極的に水分を摂ろうとする意識が社会に浸透している。そこで清涼飲料水が求められるわけだが、その容器のほぼ8割はペットボトルが占めているからだ。 -
関係人口と二地域居住 ~全体人口減少時代の地域活性化策~ 全国で感染症の第七波が猛威をふるっているが、今回のパンデミックでは副産物でリモートワークが普及した。その延長上に都心部の企業のオフィステナント解約ラッシュや、郊外ないし地方への本社移転ラッシュ等があるわけだが、人の側でもある動きが起きており、行政も自治体に補助金まで出してそれを促している。その動きとは何か。「移住」だ。
-
夏、虫、昆虫食 ~「2030年タンパク質危機」へのもう一つの処方箋~ 本稿を執筆している6月25日現在、関東上空は高気圧に覆われ、都心では午前11時半に最高気温35℃を記録した。梅雨明け宣言を聞かないうちに早くも「猛暑日」である。今年初であるとともに、6月26日に35.7℃を記録した1963年を抜いて、観測史上最も早い猛暑日になった。
-
フィジカルインターネットは何をもたらすか ~あるいは何がそれを阻害しているのか~ 本誌の読者層からすれば、この言葉は多くの人が企業経営の教訓と受け取るだろう。が、実はこれ、軍事作戦の話である。オマール・N・ブラッドレー元帥は初代米軍統合参謀本部議長でNATO軍事委員会初代委員長。つまり、ここで言うロジスティクスは兵站のことである。
-
円安、原油、電気代 ~原価インフレによる値上げをマイルドインフレーションに変えるための仮説~ 4月は毎年値上げの季節だが、今年のそれは例年にない様相を呈しているのではないか。――と、各誌の報道を受けてひとまずはその立場に立ってみる。すると、原因は大きく3つ考えられるだろう。1、昨年から続く原油価格の右肩上がりでの高騰 2、ロシア—ウクライナ情勢の影響によるエネルギー資源および原材料輸入価格の高騰 3、円安である。
-
大豆、代替肉、フードテック ~日本人は全員フレキシタリアン?~ 私事で恐縮だが、豆腐が好物だ。湯豆腐、肉豆腐、麻婆豆腐。厚揚げ、煮〆、冷ややっこ。豆腐はいい。どうやっても、いい。居酒屋で注文を取りに来られたらメニューを見る前から「揚げ出し豆腐、ありますか?」と尋ねる飲んべえは、筆者だけではないはずだ。
この豆腐、実は欧米では「代替肉」の位置づけである。正確には「代替動物性たんぱく質」だ。豆腐は豆腐だろう、大豆加工食品だろう、と思うのは日本人の感傷で、彼らにとっては「肉でたんぱく質をとるのが憚られるから代わりに植物でたんぱく質をとる」ための、代替食物のようだ。 -
オルタナティブ現実としてのメタバース ~「世界」の成立要件とからめて~ 昨年12月7日夜10時頃、筆者は初めての銭湯に行った。薪で沸かす湯が激熱だというのでホクホク顔で訪れたのだが、看板に謳う「波動水」の磁気が障ったのかどうか、4時間前に新品のバッテリーに交換したばかりのiPhoneが、湯を上がって出てくると、起動しない。そのまま駅前で軽く飲み、帰宅して電源コネクタに接続したがうんともすんとも言わない。仕方がないのでPCで、必要な相手に状況だけ報せるメールを送り、明日夕方またiPhone修理の店に行くことにして、ともかくそこから18時間、予期せぬ「スマホ断ち」とあいなった。
-
ファクタリングと就業不能保険 ~金融・保険業の時代対応に関する一考察~ 先月20日、日刊工業新聞17面に「就業不能保険 対象広く」と題した記事が載った。袖見出しは「東京海上日動 軽度のケガ・コロナも」。横見出しは「若年層の利用拡大狙う」である。また、その隣には「中小の売掛債権回収 クレディセゾン ウェブ対応、翌日入金」という記事が並んだ。大きくて三段、せいぜい四段扱い程度の記事だったと記憶するが、ある意味、感染症蔓延状況下の世相を象徴する眺めだった。