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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 
 
ミュージカルへの挑戦は、今まで考えたことがなかったという北村さん。それには、観客に良いものを届けなければいけないというプロ意識があったからだという。
 

プロとして作品を提供しなければいけない

 
僕は小学生の頃からたくさんの映画を観る環境で育ち、その中には『ウエスト・サイド・ストーリー』や『サウンド・オブ・ミュージック』などもありました。もともとミュージカルは好きでした。大人になってからは、海外に行った際にミュージカル『レ・ミゼラブル』なども観劇しましたね。
 
ですが、自分がミュージカルに出演しようと考えたことはありませんでした。俳優という職業柄、仕事としては近い場所にあると思っています。ただ、僕らのお芝居と、ミュージカルのお芝居は別物だという認識でした。僕の中で日本のミュージカルは、お芝居よりも歌が中心であるというイメージが強くありました。
 
だから、最初に『王様と私』のオファーをいただいた際にはお断りしました。お客様の前に立つということは、プロとして求められている以上のものを提供しなければいけません。「ミュージカルやってみたいな」と思ったからといって、簡単に挑戦して良いものではないと思っています。自分を観客の一人だと考えて客観視してみたときに、無理だと思っていましたね。
 
ただ、ありがたいことに何度も説得していただき、挑戦するに至りました。その際にお願いしたのは、歌もダンスも早いうちから一人でレッスンを受けたいということ。やるからには、できる限りの努力をして臨まなければいけませんからね。
 
そうしてレッスンを受けてみると、思ったよりできるかもしれないと思いました(笑)。スタジオを借りてレッスンを受けたり、一人でカラオケボックスに行ったりして練習しています。カラオケで歌ってみると、普段歌っているときより、2、3個キーを上げて歌えるようになったんですよ。ただ、数日経つと音が濁ってしまったり、はっきりとした声にならなかったりして、思い通りに歌えなくなっています。その繰り返しですね。