インタビューの中で、「作品をつくり上げる過程が好き」だと語ってくれた北村さん。歌やダンスのレッスンなども、その過程として楽しんでいるのだという。

絶対におもしろいものにするという意気込み

僕は映像作品を中心に活動しているため、ミュージカル初挑戦ということもあり大丈夫なのか？　と心配される方も多いと思います。だからこそ、「おっ！」と驚いていただける力量をつけて本番に臨まなければいけません。声楽を学んでおられる方々は、歌い方から全然違いますからね。その中で通用する力をつけていきます。「まあ、もともとミュージカルの人じゃないからね」と言われるのが嫌ですね（笑）。 ただ、芝居であれ歌であれ、例えばスポーツであっても、自分の力量に満足することはないのだと思っています。その中で、自分の中で最高のコンディションを用意して本番に臨むことが大切です。僕は、そのために準備をする期間が一番大切です。役と向き合い、みんなで作品をつくり上げる過程が、この仕事の楽しみの一つですね。 『王様と私』では、お芝居と歌をしっかりと自分の中で融合させたいと思っています。お芝居の延長線上で歌えたらと。芝居の表現の一つという感覚でしょうか。今はレッスンや稽古を通じて、その感覚を掴んでいる最中です。そうして、僕が演じるからこそ表現できる王様をお見せしたいと思っています。この作品は名作として知られていますし、日本でも何度も上演されています。その中で、新しいことにもチャレンジしたいですね。そういったチャレンジには賛否両論があるかと思いますが、ハードルを高く持ち、覚悟を持って臨みたいと思っています。 普段ミュージカルを観ない方には、「こんなにおもしろいのか！」と驚いていただきたいですし、ミュージカルに慣れ親しんでいる方にも「おっ！」と思わせる作品をつくりたいです。スポーツ観戦でも映画でもミュージカルでも、興味のないものを観る機会はあまりありませんよね。でも、ミュージカルに興味のなかった方にもぜひ観ていただきたい。新しい分野への挑戦、その最初の一本になったら嬉しいです。絶対におもしろいものにしてみせますよ。僕にとっては、そのために努力することが仕事の楽しみの一つです。 （取材：2024年1月）