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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 
 
ロンドンオリンピックの年に社会人1年目を迎えた入江選手。仕事として競泳に臨む中で、責任を感じるようになったという。年を重ねるごとにより意識するようになっているという責任について、詳しくうかがった。
 

将来は水泳の普及の貢献したい

 
学生の頃は、競泳に対しどこか「部活動の延長」という意識もありました。でも、プロとして、スポンサーの方に支援していただいて泳ぐようになり、恩返ししていかなければいけないと意識するようになりました。そういった気持ちは、年々大きくなってきています。
 
ただ成績を出すだけではなく、アスリートは人として尊敬していただける姿勢でいないといけないと思っています。それも、仕事の一つだと思っています。昨今はSNSで簡単に自分の言葉を発信できるようになりましたし、周囲の方にご迷惑をおかけしないように気を付けています。でも、それはアスリートだけでなく誰でも同じだと思います。一つひとつの発言に責任を持たなければいけない時代ですよね。
 
パリオリンピックが終わった頃、僕は34歳です。セカンドキャリアについても今から考えておく必要があります。今まで水泳一筋で生きてきて社会人経験がないので、大変だろうと想像していますね。ずっと水泳に携わっていた身としては、水泳の普及に貢献したいと思っています。
 
水泳は、世界選手権のような大きな大会が年に1回しかなく、なかなかテレビで放送される機会がありません。国内の大会をどう盛り上げていくかが課題だと思うんです。ふらっと気軽に観戦してもらえるようなスポーツになってほしいと思っています。例えば、野球観戦の場ではビールが良く売れて、観戦とセットの楽しみになっていますよね。野球場でのビール、映画館でのポップコーンのように、競泳と一緒にセットで楽しめるものがあっても良いのかもしれません。
 
パリオリンピックを一つの区切りと考える中で、どのように現役を終え、その後どういった活動をしていきたいのかは、今後も考えていきたいと思います。ただ、まずは競泳選手としてしっかり結果を残すことが大切です。
 
スポーツ選手として一番大事にしなければいけないのが、怪我をせず、体調管理をしっかりと行うことです。そして、確実に日本代表に入り、オリンピックでのメダル獲得を目指したいです。まずは来年に福岡で行われる世界選手権に向けて頑張ります。大きな大会ですので、非常に盛り上がると期待しています。みなさんの応援の力もお借りして、良い結果を出したいです。
 
 
(インタビュー・文 中野夢菜/写真 内田大介/ヘアメイク 武本萌
/スタイリスト 部坂尚吾(江東衣裳)/スタイリストアシスタント 清水月(江東衣裳))
衣装協力
シューズ 8万2500円
JOSEPH CHEANEY /BRITISH MADE 銀座店 03-6263-9955
 
 
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入江陵介 (いりえ りょうすけ)
1990年生まれ 大阪府出身
 
イトマン東進所属。0歳から水泳を始め、中学生の頃に種目を背泳ぎに絞る。2008年には北京オリンピックに出場し、5位入賞という成績を残す。2012年のロンドンオリンピックでは100m背泳ぎで銅メダル、200m背泳ぎ、400mリレーで銀メダルを獲得した。現在、4大会連続でオリンピックに出場しており、東京オリンピックでは競泳日本選手団の主将を務めた。

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(取材:2022年12月)