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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 
岩城さんにとって、趣味は楽しめるだけでなく、ときとして仕事の糧にもなると言う。「経験を積み重ねたからこそ表現できるものがある」と語る岩城さんにその真意を聞いた。
 
 

「できる」という自信は顔に表れる

 
遊びというのは、人生や仕事においてとても勉強になると思います。例えば、映画やテレビドラマの撮影では、車を少し走らせるのにもスタントマンを使うことが多いんです。でも、もし自分でそのテクニックを習得していれば、カットを入れずに、車に乗るところから降りるところまでを撮影することができる。そのほうが、かっこいい映像になるんじゃないかな、と思うこともありますよ。
 
誰かと睨み合って対峙するシーンでもそうです。相手がどれだけ強そうな人でも、格闘技の経験があると「演技じゃなくて本当にお前と戦うことになっても、俺は負けねえ」と思えてきますからね。そうした気迫は、見ている方にも伝わると思っています。
 
僕の場合は、趣味でそういった技術を習得していることが多々あります。決して、仕事のためではなくて、楽しむためにやっていることだけど、それが思わぬ形で仕事にも役に立つ。どんな分野でも、自分が「できる」と思うことによって、自信が顔に表れますよ。見ている方も、よりリアルに感じられるんじゃないかな。だから、どんなことでも絶対何かのプラスになる。経験というのは所作や雰囲気など、全てに滲み出てくるものですから。
 
 
 
<インタビュー・文 中野夢菜/写真 Nori>
 
 
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岩城滉一(いわき こういち)
1951年生まれ 東京都出身
 
『週刊プレイボーイ』に掲載された写真をきっかけにスカウトされ、1975年に上映された映画『新幹線大爆発』で俳優デビュー。テレビドラマ『北の国から』で一躍有名となる。近年では映画『22年目の告白-私が殺人犯です-』や『HiGH&LOW THE MOVIE 3 FINAL MISSION』などの話題作に多数出演。趣味のバイクでは選手として多数のレースに出場し、2016年の「もてぎオープン 7時間耐久ロードレース」では優勝を果たす。自身が率いる「チームイワキ」を設立し、現在は若手選手の育成に励んでいる。
 
 
 
(取材:2017年11月)