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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

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現在はジュニア世代のスクールのコーチを務める他、解説者として活躍している名波氏。場に応じた的確な説明ができるうえ、現役時代の経験も豊富な名波氏は、指導者に向いていると思うのだが、本人は現時点では、さほど監督になることを目指しているわけでもないらしい。
 
 

経験や知識を、サッカー界に還元したい

 
 確かにS級ライセンスも取得したし、2013年にはそうした話もあったけど、その時よりは「監督をやりたい!」という気持ちはちょっと薄れたかな。それよりも、どんな形でもいいから日本サッカー界の発展のために貢献できればいいです。
 自分が現役時代に経験してきたことって、言葉で伝えやすいことが非常に多い。それは強いチームに所属できて、優秀なチームメイトがたくさんいて、しかも優れた指導者の教えを受けられたから。そのキャリアの中で経験できたことは後に続く人たちに、正確に伝えたいですね。
 
 と言うのも、才能があって努力もしているのに、恵まれた境遇でプレーできていない選手って、本当にたくさんいるんですよ。そういう、なかなか浮上するきっかけができない選手を、ぼくの経験などを使って引っ張りあげる手助けができればと思います。もっと広い視点に立って言うなら、サッカーが好きな人たちそれぞれのレベルを今よりも高みに上げられるような手助けをしたいということです。それはプレーのことであったり、サッカーを観戦する目を養うことであったり、いろいろとありますけどね。
 
 たとえば解説者の仕事でサッカーの楽しさを伝えることも、そういう思いでやっている部分があります。これは個人的なこだわりですが、ぼくは解説をする時、サッカー経験がある人、サッカーが好きな人に対して喋っているつもりです。そういう人たちに、「サッカーってこういう見方もあるんだ」って新しい発見をしてもらえるような、そんな解説をするよう意識している。
 
 ぼくの解説から何かを発見できた人は、それが本当なのかどうか、自分自身でプレーしてもいいし、他の試合を見てもいいし、確認作業をするでしょう? そうやってぼくが言ったことへの裏付けを取れば、その人のサッカーのレベルが一段上がるかもしれない。つまりそれが、サッカー好きな人たちを一段上のレベルに引き上げることにつながるんです。そういう活動を通して自分の経験やサッカーの見方を伝えつつ、微力かもしれないですけど、サッカー界に貢献し続けたいですね!
 
 
 
(インタビュー・文 佐藤学 /写真 Nori/スタイリスト 立山功)
 ジャケット・パンツ:MASON'S(LCR 03-6418-0501)
 靴:JOSEPH CHEANEY(渡辺産業プレスルーム  03-5466-3446)
 その他:スタイリスト私物
 
 
 
名波浩 (ななみ ひろし)
 
1972年11月生まれ。静岡県出身。
 
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サッカーの名門校である清水商業高校を卒業後、順天堂大学を経て1995年にJリーグのジュビロ磐田に入団。同年、日本代表にも選出され、1998年のフランスW杯では10番を背負ってプレー。ジュビロ磐田ではゲームをコントロールする中盤の要として大活躍し、黄金期を支えた。1999年当時セリエAに所属していたACヴェネチアでのプレー経験もある。引退後は解説者を務める他、ジュニア世代の育成に携わるなど幅広く活動している。
 
 
オフィシャルサイト
 
 
名波浩氏をはじめ、元日本代表や元Jリーガーが指導するジュニアサッカースクール サッカースクールSKY
 
 
 
(この情報は2014年6月1日現在のものです)
 
 
 

 

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