廃棄する食用油を地域で回収し
持続可能な燃料にリサイクルする
諦めずに続けた先で、時代が追いついた

村田 もともとの配管トラブルへの意識と環境問題への関心とが結びついてできた、一石二鳥のアイデアだったんですね。そして先ほどおっしゃっていたように、今では大手企業からも注目される事業に成長したわけですか。
朝比奈 そうなんです。しかし、始めた当時は「そんな仕事に何の意味があるのか」「早くやめたほうがいい」と言われることもありました。事業として収益が上がらず、税理士さんからもやめるよう勧められたほどです。それでも14年ほど続けてきて、ようやく時代が追いついてきたと感じていますね。
村田 苦しい時期にも諦めずに続けてこられたと。その粘り強さは、どこから来るのでしょう?
朝比奈 幼少期から長年続けてきた空手の影響が大きいと思います。私は拓殖大学の空手部で厳しく鍛えられました。その中で得た「焦らない、慌てない、最後は諦めない」という教えが、今も私の信条なんです。
村田 拓殖大学空手部といえば、空手などの格闘家の方が行うあいさつとして知られる「押忍」という言葉の発祥とも言われていますよね。実は、私は『押忍とは何か?』という本を読んだことがあるんですよ。
朝比奈 私もその本を持っています(笑)。「押忍」は困難に耐えて自らを抑え、前へと進む精神を表すという意味を持っているといわれており、そのような空手で養った精神は今の仕事にもつながっているんです。
村田 なるほど。空手を通じて得た強い精神力こそが、事業を続けるうえでも支えになってきたんですね。
朝比奈 はい。「敵があるのは我に敵あり」という言葉があるように、うまくいかない時に周囲のせいにするのではなく、自分自身を振り返ることが大切です。仕事においても「環境が悪いからできない」と理由を探すのではなく「どうしたらできるのか」を考え、諦めずに方法を探し続けるように心がけています。


