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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

利用者が笑顔になれる 伴走型の就労支援事業
合同会社陽の桜/就労移行支援事業所 一知悠 代表 坂本通郎

 
プロフィール 和歌山県出身。学生時代は野球に打ち込み、学業修了後は日本郵便に入社。28年間の勤務で地域の人々と接する中で、心の不調を抱える人の存在を実感し、福祉の道を志す。退職までの約7年間、仕事の傍ら福祉について学び、退職後は事業所で経験を積み、2026年3月、就労移行支援事業所「一知悠」を開業。AI資格の取得支援や、個別に並走する支援を通じて、利用者が社会で活躍できる力を育てている。
 
 
 
2026年3月に開業した合同会社陽の桜は、身体や精神の障害で企業への就職が難しい人に、社会で通用するスキルやマナーを指導する就労移行支援事業所、一知悠(いちゆう)を運営。元郵便局員で、地域への恩返しのため福祉の世界に入った坂本通郎代表の周りには、その理念に共鳴したスタッフがそろう。“笑顔が人を救う”の合言葉と、「生成AIパスポート」の資格取得を目指す独自の姿勢で利用者の心をつかんでいる。
 
 
 

一歩先を行く就労支援

 
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インタビュアー 濱中治(野球解説者)
濱中 和歌山県和歌山市で就労移行支援事業所、一知悠を運営する、合同会社陽の桜さんにお邪魔しています。本日は坂本通郎代表と、副代表の須川絹子さん、管理者の谷沢英知さんにお話をうかがいます。さっそく坂本代表のプロフィールと、福祉の世界に飛び込むまでのいきさつを教えていただけますか。
 
坂本 学生時代、野球に打ち込んだ私は日本郵便に就職し、28年間にわたり勤務しました。退職後は、福祉事業所で経験を積み、一知悠を開業したのは2026年の3月です。そのきっかけは郵便局での日々の仕事の中にありました。お客様と接していると、つい1週間前まで元気だったのに、急に心を病んだように見える方、数ヶ月前まで元気に運動していた方が家から出てこなくなるなど、そのような変化を目にすることが多々あり、自分に何かできないか? と思うようになったんです。
 
濱中 なるほど。お客さんの変化を間近で見てこられたんですね。
 
坂本 ええ。そのような方を自分の力で助け、和歌山に貢献したいと考えるようになったんです。それで、郵便局に勤めながら7年ほど福祉について学び、事業を立ち上げました。現在は精神障害や発達障害のある方を中心に、一般就労に向けた支援を行っています。
 
濱中 パソコンのスキルを身に付けてもらったり、ビジネスマナーを教えたりする場所。それが就労移行支援事業所のイメージです。
 
坂本 もちろんそのような指導も重要ですが、率直に言ってどこの事業所でもやっていることなので、あまり需要がありません。そこで当事業所では一歩先を見据えて、AIの活用に取り組んでいます。利用者様には全員に、AIのリテラシーを高められる「生成AIパスポート」やAI全般の体系的な知識や技術を身につけられる「G検定」といった、民間資格の取得を目指してもらっているんですよ。
 
濱中 それは見事な目の付け所ですね。もし取得できたら、引く手あまたの人材になれそうです。
 
坂本 ありがとうございます。例えば、モノクロの画像をカラーの動画に変換するなど、AIでできることはますます広がっているところです。古い写真をきれいな動画に仕上げれば、昔をより鮮明に思い出すことができてお年寄りに感動してもらえますよね。