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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

噛み合わせを整えて
健康を支える歯科技工士

 

「なぜ?」から始まる噛み合わせへの探求

 
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畑山 その修業が終わった後の歩みも気になります。
 
大藪 師匠から歯科技工士の世界で有名な、桑田正博先生を紹介していただきましてね。半年間、毎月東京に通いました。桑田先生からは「常に“なぜ?”と考えて仕事をしなさい」と教えられました。先生からは技術以上に、歯科技工の仕事に対する情熱を学んだ気がします。
 
畑山 常に疑問を持ちながら仕事をする。具体的にはどんなことを考えるんですか。
 
大藪 建物を作るとき設計士は図面を書くのに、歯科技工士は図面を書かないんです。でも、考えてみればおかしいと思いませんか?
 
畑山 たしかに「なぜ?」ですね。
 
大藪 歯科医師と相談し、「こういう設計、素材でいきましょうか」と図面を見せて患者さんも納得して進めていくのが本筋ですよね。しっかり壊れないで機能的な構造を考えることを先生から教えられました。技工士によってはドクターに意見できない方もいます。でも、私たちが最も尊重すべきは患者さんです。ですから歯科技工士と歯科医師は良きパートナーとして関係を築く必要がある。そのためにはどうすればいいのか、そこを突き詰めて考えることが大切だということを学びました。
 
畑山 患者さんを最優先にする姿勢。そこが大藪代表の原点になっているわけですね。そんな大藪代表が得意としているのは、噛み合わせだと聞いています。
 
大藪 おっしゃるとおりです。あるとき、技工物を正確に作ったはずなのに「壊れた」という患者さんの訴えがあったんです。その原因のひとつとして浮上したのが、噛み合わせでした。噛み合わせがよくなかったから、壊れてしまったんです。噛み合わせはとても奥が深くて、虫歯の「なぜ?」も噛み合わせに行き着くんですよ。噛み合わせの不具合や食いしばりによって歯のエナメル質にひびができ、菌が入る。だから虫歯になる、と考えられます。また構造や噛み合わせ、歯のメカニズムを理解して作らないと壊れてしまいます。
 
畑山 噛み合わせは口腔内の環境も左右するんですね。
 
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大藪 ええ。口腔内だけでなくその噛み合わせがどうやって形づくられていくのか。それは筋肉や骨格、顎関節など身体全体に起因するので、一人ひとり異なります。すべての骨はバラバラで、靭帯と筋肉でつながっている。下顎は、ぶら下がっているだけなので姿勢が変わると変化します。噛み合わせは、仙骨とも連動するので足組みするだけでずれてしまうほど繊細なんです。だからこそ私は、総合的な観点から噛み合わせを知るために、解剖学やカイロプラクティックも学んできました。
 
畑山 素晴らしい探究心ですね。私も現役時代は反射速度やパフォーマンスを少しでも上げるために、カイロで身体を整えて試合に臨んでいました。
 
大藪 そうでしたか! 私には下條茂先生というカイロの師匠もいまして、その先生からは身体のことだけでなく栄養食事学、脳科学など幅広く学んできました。歯の治療だけでは限界がある。また噛み合わせを改善しただけで頭痛や肩こり腰痛などが治った方もたくさんいます。だからこそ、歯科だけでなく医科分野にも噛み合わせのことを知ってほしいし様々な医療機関とも連携しながら“身体全体を診る歯科技工”を広めていきたいんです。