1世紀かけて洗練した野菜ジュースマシン
インタビュアー 石黒彩 (元モーニング娘。)
猪狩 料理番組やレシピ本などで活躍されている野菜ソムリエの石黒さんにそう言っていただけて、光栄です! 今日は実際に見て、触って、味わって、全部体験していってください。
石黒 工房に入った瞬間からテンションが上がっています(笑)。歴代のマシンがずらっと並んでいて、まるで職人さんの博物館みたい。こういう場所には胸が高鳴ります。
猪狩 もともとは先代の鈴木忠治郎さんが1913年に創業して、さまざまな食品加工機をつくっていたんですよ。そしてある健康法の先生から相談を受け、1956年に完成したのがこのジュースマシンです。
石黒 1913年というと大正2年から・・・! このローラーを見た瞬間、ただのジューサーじゃないと感じましたよ。ぜひ詳しくお聞かせください。
猪狩 野菜の細胞膜は二重構造で、膜の上にさらに壁があるので、ミキサーの刃では壊しきれないんです。だから、“潰す”ための2本のローラー構造に行き着きました。
石黒 それは、理にかなっていますね。熱を加えないって本当に大事なことで、ミキサーだと摩擦熱が出て栄養まで壊れてしまい、炒めているのと同じことになるんですよね。最初の説明だけで、期待値が上がってワクワクしてきました!
猪狩 さすが石黒さん、お詳しいですね!