石黒　おいしさの秘密はやはり、この2本のローラー構造にあるのでしょう。いつ頃からこの完成された構造になったのですか？
 
猪狩　マイナーチェンジは経てきたものの、基本構造は70年ほど前からほとんど変わっていないんです。
 
石黒　ということは、昔から基本的な機能やデザインが完成しているマシンなんですね！
 
猪狩　ええ。ローラーの形状は特に難しくて、「リアカー１杯分の失敗作が出た」という記録が残っています。その苦労があったから今があると思うと、感謝しかないですね。
 
石黒　代々受け継がれてきた尊さ、簡単にはいかなかった歴史があるからこそ、今の味に説得力があるんですね。ますます野菜ジュースが体に沁みます。
 
猪狩　何十年も使い続けてくださっている方もいましてね。もちろん、メンテナンスもすべて引き受けています。
 
石黒　まさに、育てていく機械なんですね。買って終わりじゃなくて、一緒に歴史を重ねられる道具って本当に特別だし、素敵なことだと思います。サステナブルのこの時代にもよく合っていますよ。それだけ熱意を持って仕事に取り組める、猪狩代表の原動力が気になるところです。
 
猪狩　販売からメンテナンスまで一人で担っているので、何でも楽しみながら取り組んでいます。困ったことが起きても、ゲームのイベントの一つぐらいに捉えているんです（笑）。日々のワクワクを何よりも大切にしていますね。
 
石黒　その心意気、すごく素敵です！　だからこのマシンにも、どこか温かみが感じられるのでしょうね。