インタビュアー 今岡真訪(野球解説者)
富田 子どもの頃からさまざまなスポーツを行う中で、競技として究めることよりも、体を動かすことそのものの楽しさに惹かれるようになったんです。そして、体育系の専門学校で学び、青少年団体で約10年、幼児や小学生に運動を指導しました。仕事をしながら通信制の大学で幼稚園の教諭免許を取得し、幼稚園に転職をしたんです。そこで感じたのは、子どもの体力や運動能力が低下している現実です。職業訓練校で体育の指導員を務めた時には、運動が苦手で、恥ずかしい思いをして体育が嫌いになった訓練生を多く見てきました。そこで、レジャー感覚で楽しく体を動かして遊べる場をつくろうと決意したんです。
今岡 その思いがスタジオづくりにつながっているのですね。楽しむ気持ちがあれば、自然と続ける力や挑戦する意欲が育っていく。野球も同じで、楽しさの中に成長があります。運動が苦手でも、自分らしく前向きにチャレンジできそうですね。
「いっぽんいす」など多彩な器具を今岡さんが体験
今岡 広々としたフロア、子どもたちが思いきり動ける工夫が詰まっていますね。器具一つひとつにも“学びの仕掛け”を感じます。
富田 鉄棒が苦手な子にはとても低い鉄棒を自作しました。こちらはバランスボールの代わりにつくった「いっぽんいす」で、体幹を意識できて座れるようになっています。そして、この「SuiSui(スイスイ)ボード」では、うつぶせに乗って滑りながら、競争や鬼ごっこをしていますよ。