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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

廃食用油をリサイクル  ローカルSDGsで地域貢献
株式会社大口油脂 代表取締役 島村信行

 
プロフィール 大阪府出身。廃食油の回収・中間処理を手がける(株)大口油脂の2代目代表取締役として辣腕を振るう。創業以来、廃食油の回収・リサイクルに取り組み、飼料、工業用原料としてリサイクル。現在はニーズが増加中の国産SAFやBDF向けへとリサイクル先を拡大し、回収後はリサイクル可能な状態に一次加工し出荷も行う。近年は事業者以外に家庭からの廃食油回収のしくみづくりにも積極的に取り組み、ニーズに応えている。
 
 
 
SDGsという言葉が一般化し、持続可能な世界の実現が急がれる昨今。そうした中、廃油を資源へ生まれ変わらせ、未来の環境を守ろうと50年にわたり挑み続けているのが株式会社大口油脂だ。その情熱の源泉は、島村信行代表取締役が語る「企業の枠を超えて一般家庭にもリサイクルを広げたい」という願い。数々の逆境を乗り越えてきたボクシング元世界チャンピオン・畑山隆則氏が、同じ“挑戦者”として島村社長の熱い胸の内に迫った。
 
 
 

廃食用油を再利用し、地球に優しい社会へ

 
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インタビュアー 畑山隆則(元ボクシング世界王者)
畑山 これまで経営者インタビューを通じてたくさんの事業者の方とお会いしてきましたが、廃油回収業の経営者の方にお話をうかがうのは今日が初めてなので、興味津々です! 株式会社大口油脂さんは、廃食用油を回収・リサイクルしておられるとお聞きしています。つまり、使用済みの食用油を回収なさっているという認識で合っていますか?
 
島村 ええ、おっしゃる通りです。弊社では、外食産業や食品工場、学校給食などの使用済み食用油――いわゆるUCオイルを、再資源化するために回収する事業を手がけています。
 
畑山 普通は捨ててしまう廃油を、また使えるようにされているということですね。例えば、どんなものに生まれ変わるんでしょうか。
 
島村 廃油から石鹸をつくるという話は、比較的ご存じの方も多いかもしれませんね。ほかにも塗料や家畜用飼料に使われたり、最近では燃料として石油の代わりに使われたりすることもあります。いわゆる、バイオディーゼル燃料というやつですね。
 
畑山 廃食油が燃料になるのは画期的ですね! さらに詳しくお聞きするのが楽しみになってきました。