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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

全身の健康につながる 歯科技工物の製作とは
合同会社アーデントラボ 代表 池本政直

 
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インタビュアー 濱中治(野球解説者)
濱中 本日は自費専門の歯科技工所、合同会社アーデントラボさんにお邪魔しています。オシャレで、ゆとりある空間ですね。まず、池本代表が歯科技工士を目指したきっかけを教えてください。
 
池本 父親が私の手先の器用さに気付いていたようで、「歯科技工士」という仕事が向いているのではないか? と提案してきたのがきっかけです。そこから通っていた歯科医院の歯科医師がたまたま専門学校の非常勤講師をされていることを知り、専門学校へ見学に行かせてもらったんですよ。そこでは石膏を流すほか、単純な彫刻をする作業を体験しました。これなら自分にもできそうだと感じ、歯科技工の道に飛び込んだ次第です。
 
濱中 簡単そうに言われているものの、とても難しい作業ですよね。潜在的なセンスもあったのでしょうが、勉強もかなりされたのでは?
 
池本 そうですね。日常生活とは少し離れた分野でしたし、ただつくるだけで良い、というものではなく、ましてや「見る」と「やる」とでは別物でした。幸い、専門学校では気の合う仲間や先輩方がいてくれたことで楽しく学べましたし、たくさんの技術や知識を吸収して卒業することができました。しかし、就職して臨床の現場となると学んできたことが思うように通用せず、打ちのめされましたね。
 
濱中 高校野球からプロ野球へ進んだときの私と似ているかもしれないなぁ。同じ作業なのに、「プロの現場だとこんなにも雲泥の差があるのか」といった感じでしょう?
 
池本 おっしゃる通りです。就職してからの5年程度はろくに睡眠時間も取れず、夜中まで作業するのは当たり前でした。職人の世界なので手取り足取りではなく、自分で見て、覚え、考え、そして実行する。その繰り返しで必死でしたね。「早く周りに追いつきたい」の反骨精神で過ごしていましたよ。
 
濱中 よくわかりますよ。そのハングリーさが、池本代表の技術と知識の土台となったわけだ。
 
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池本 濱中さんに共感していただけて嬉しいです。私のラボでは、髪の毛の約3分の1の細さ、20ミクロンの世界で仕事をしています。そこを追求することで、ようやく口腔内で違和感がないほどの精度となり、生体親和に優れた補綴物になるんです。そのためにも歯科医師、歯科衛生士、歯科助手と日頃から連携し、患者様の情報や、それぞれの立場から知識と技術を共有する「チーム医療」が必要と考えます。また、仕上がった技工物もできるだけ口腔内で削らず適合させることを目指しています。その結果、チェアタイム(診療時間)の短縮にもつながるだけでなく、患者様へ負担を軽減し、満足度も上がって、みんなが幸せな気持ちになりませんか?