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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 

人を笑わせて明るい雰囲気を
つくり上げることが仕事の楽しみ
俳優 柳沢慎吾

 
1978年、バラエティ番組『ぎんざNOW!』の「素人コメディアン道場」に出場し、19代目チャンピオンとなった柳沢慎吾さん。ドラマ『3年B組金八先生』で俳優デビュー。数々のパフォーマンスで人気を博す中、『ふぞろいの林檎たち』でその地位を確立した。7月8日から放送されるNHKBS時代劇、『善人長屋』では、情報屋の半造を演じる柳沢さんに、これまでのご経験や仕事にかける思いをうかがった。
 

苦労がある分、充実した現場だった

ドラマ『善人長屋』は、ある長屋に住んでいる人たちの物語です。彼らは、表向きは善人で通っている人たち。でも、裏では“悪人”なんですよ。そんな彼らが、知恵を絞りながら別の悪人を成敗するストーリーになっています。その中で、僕の演じた半造は情報屋です。善人長屋のメンバーに、「実は旦那・・・こうでしたよ」と伝える役どころでした。
 
情報屋という役割のため、セリフは説明が多くて。内容も難しいし、覚えるのは結構大変でしたね。それに、時代劇ですから、言葉のイントネーションも現代とは違います。今振り返ってみても、大変な現場だったなと思いますね。半造はシリアスな役どころなので、監督からは、「半造は、(吉田鋼太郎さん演じる)儀右衛門に次いで、善人長屋のNo.2の位置だよ」とも言われていました。
 
でも、撮影現場はとにかく楽しかったですね。空き時間は共演者の方々やスタッフのみなさんと常にコミュニケーションを取っていました。笑い声が絶えませんでした。僕は、撮影前や合間に現場の空気を和ますのが大好きなんですよ。みんなと笑い合うことで、自分のテンションも上げて、撮影に臨む。それがルーティーンにもなっています。
 
演出家の一色隆司さんとは、以前にもドラマの撮影で一緒になったことがありました。だから、共演者やスタッフとの顔合わせの前に、一度お会いさせてもらったんです。そのときに、「セリフは一字一句間違えないでという感じではないので、安心してください」「ちょっとセリフが脱線してしまっても、戻って来てくれたら大丈夫なので!」と言われていました。でも、顔合わせのときに、共演者のみなさんは完璧にセリフを覚えて来ていたので焦りましたね。聞いていた雰囲気と全然違う! と思いました(笑)。
 
最近は、ドラマで時代劇を放送することはほとんどありませんよね。NHKの大河ドラマか、BS時代劇くらいなんじゃないかな。だから、本当に良い経験をさせてもらったと思っています。難しくて苦労した思い出もたくさんあるけど、その分充実した時間を過ごさせてもらいました。
 
時代劇と聞くと、若い世代の方々は少し敷居が高いと感じてしまうかもしれません。でも、観ていてスカッとする痛快な物語なので、老若男女問わず楽しんでもらえると思います。スタッフの方々のこだわりもすごいですよ。とあるシーンで、照明さんが「慎吾さんの顔の半分だけ影がかかるようにしたい」と言って、照明の角度をとても細かく調整してくれたんです。映像を見てみたら、すごくかっこ良いシーンになっていました。ぜひ、そのシーンも楽しみにしてもらえたら嬉しいです。
 
 
 
 
 

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