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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

目指すは大人の秘密基地
車解体でSDGsへ挑戦

 

自衛官として災害派遣に従事した経験を持つ

 
glay-s1top.jpg テーマパークを意識した大人の秘密基地
テーマパークを意識した大人の秘密基地
矢部 そもそも自動車解体のお仕事では、具体的にどんな業務を行うんでしょうか。
 
上村 基本的な業務の流れは、壊れて廃車となったものや不要になった自動車を仕入れ、細かいパーツに解体し、鉄やアルミ、銅といった素材ごとに仕分けします。そして、それらの金属素材を取り扱う業者さんに納入するんです。日本国内の金属リサイクル率は非常に高く、自動車解体で得られた金属素材は、次々と新たな製品に生まれ変わっているんですよ。
 
矢部 限られた資源を有効活用する、リサイクルの一端を担っているお仕事なんですね。
 
上村 ええ。しかし、自動車部品の中には、どうしても廃棄しなければならない素材がいくつもあるんです。そこで、私はそのようなゴミとなるものを少しでも減らしたいという思いもあり、廃材を再利用する取り組みをしようと考えました。
 
矢部 そのお考えは素晴らしいですね! 上村社長がそのような取り組みを始めようと思われた経緯が気になります。もともと自動車解体のお仕事をなさっていたんですか?
 
上村 いえ、この業界に入る前は、陸上自衛隊で勤務していたんですよ。私はもともと小さい頃から、ものづくりや機械いじりなどが好きでした。そして、高校卒業後の進路について考えていた時に、群馬県に戦車などの車両整備を専門とする自衛隊の部隊があると知り、入隊したんです。在職中には、1995年に発生した阪神淡路大震災の支援活動に従事した経験もあります。
 
矢部 元自衛官でいらしたんですか! 災害派遣など大変なご経験をなさったんですね。
 
上村 それでも、車両整備の仕事は好きでしたので、あまり大変だと思ったことはなかったですね。それから自衛隊で8年ほど勤務したのち、新たなキャリアにも挑戦したいと考えるようになりました。そこで、それまでは整備をしていたので、今度は解体もやってみようと群馬県内で自動車解体業を行う会社に転職したんですよ。その会社では20年ほど勤務し、取締役も務めるようになりました。その後、2016年に退職して独立したんです。
 
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矢部 そこまでキャリアを積みながら、独立しようと思われたのはなぜだったんですか?
 
上村 私自身がもっと自由にものづくりができる環境をつくりたかったんですよ。そして、先ほども言ったように、少しでも環境問題の解決に貢献したいと思ったからです。独立した頃は、ちょうど持続可能な開発目標、SDGsが世の中で浸透し始めていたこともあり、環境問題に積極的に取り組むためにも、事業を一からスタートさせたいと考えました。
 
矢部 その思いは素晴らしいですね。非常に高い志を感じます!