B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

食品輸送界の風雲児が
トラック一台で夢を掴む

 

190万円の中古トラックで念願の独り立ち

 
glay-s1top.jpg
畑山 やはり、頑張りが報われるだけの給料をもらえるとさらにやる気がみなぎりますよね。そのうち自分の力で起業しようという気になってきたのでは?
 
川島 まさに畑山さんのおっしゃる通りです。次の転機は2年後に訪れました。社員として雇われている立場で月に40万の給料になるなら、自分で会社を興せばもっと稼ぐことができるはずだと考えまして。「運送業なら自分にもやれる。これだ!」とようやく目標を見定め、26歳のとき、その会社の社長に「独立したいので、自分が乗っているトラックを売ってください」と直談判したんです。
 
畑山 たった2年の経験で独立を考えることも、雇用主にトラックを譲ってくれと直にお願いするのもあまり聞いたことがありません。社長さんは驚いていたでしょう。
 
川島 ええ、「本気で言ってるのか?」とびっくりしていましたね(笑)。それでも社長は頑張る私の姿をいつもしっかり見てくれていましたし、何度も話し合いをするうちに、自分の力で会社を立ち上げたいという熱い気持ちを理解してくださるようになったんです。最後は無事にトラックを売っていただけることになりました。
 
glay-s1top.jpg
畑山 川島社長の熱い思いが伝わったのですね。良きパートナーである、奥様の反応はいかがでしたか?
 
川島 最初に独立の話をしたときは「本当に大丈夫?」と不安そうだったものの、やはり相談するうちに私の意欲と力を信じてOKの返事をもらえました。
 
畑山 川島社長の前だけを向いて突進する姿勢に、社長さんも奥様も将来の成功を確信したのだと思いますよ。でも、トラックの購入資金はどうなさったのでしょう。
 
川島 私が買ったのは4tの冷凍冷蔵車です。すでにボロボロだったので200万円で譲っていただけることになりました。しかも、貯金を取り崩して現金を持参した私に、社長は10万円のお釣りをくださったんです。こうして190万円の中古トラック1台で独り立ちした私は、お礼も兼ねて半年ほどその会社の仕事を請け負うことにしまして。もちろん、この間も着々と起業への布石を打ちました。個人の名刺をつくってお取引先に配り続けたんです。