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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

地域社会に“仁”を示す
土地建物管理会社

 
 
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小山 それはありますね。「自分は二代目だが、創業者の気持ちでやっていかなければつとまらない」 という意識を、専務から代表になるまでの5年間、常に持ち続けていましたからね。おかげでパワーが溜まりまくって、代表になって最初の1ヶ月で、現在の方向性をほとんど決めてしまいました。
 
名高  親子って、本当にいいですよね。以心伝心で伝わるんですよ。私の実家も親父が従業員20人くらいの鉄工所をやっていたのですが、兄が継いで80人くらいの工場に育てました。父も御社の先代と同じように無口でしたが、兄にも私にも、父の生き様とか考え方が伝わっています。
 
小山  親子関係も事業も、継承される何かがあるから次世代へと繋がるのだと思います。事業の場合は、創業者は哲学を持って始めています。それは仮に言葉で語られなくても、その哲学の基本ベースを今の時代に守り通していくことが二代目の重要な使命だと思います。これをおろそかにする会社は滅びます。「驕れる平家は久しからず」 です。
 
 

最大限の真摯さをもって仕事に向かう

 
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名高  それではズバリ、お父様から受け継いだ事業哲学をベースにしたご自身の事業哲学とは、何でしょうか。
 
小山  これは、もともとの社名 「仁幸」 にも示されていますから、非常に明快です。「仁を以て幸せをもたらす」。“仁” とは孔子の言葉で、人を思いやる心のこと。すなわち、お客様の立場で物事を徹底的に考えることです。これは、人様の衣食住に関わる人間なら絶対に失ってはならない姿勢です。
 
名高  素晴らしいです。違法すれすれの土地転売で荒稼ぎしているような一部の悪徳業者に聞かせてやりたいな。
 
小山  自社の利益のためにお客様を騙したり、ごまかすのはもってのほかです。考えてみてください。たとえば賃貸マンションを管理させていただくということは、オーナー様が億単位の建設費をかけた資産投資の運用を弊社にお任せくださるということなんですよ。生半可な気持では、とても取り組めません。真面目に誠実に、最大限の真摯さをもって仕事に取り組むこと。これが当社の営業姿勢の基本です。
 
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名高  その姿勢があるから、地元に抜群の信頼を築けているわけですね。
 
小山  このポリシーは採用面接から徹底しています。応募者には能力よりも人としての誠実さを評価する会社だとはっきり伝えます。
 それに、「ロングタイム・リレーション」 は、お客様だけでなく社員との関係においても基本なのです。私は会社は家族だと思っていますので、何よりも末永く一緒に働ける喜びを分かち合いたい。だから、当社には定年はありません。高齢者の雇用にも取り組んでいます。